第143話「化粧水の効果を試す(後編)」
──その頃、『ノーザの町』では──
ここは『ノーザの町』にあるソフィア皇女の館。その応接室。
化粧水が完成したあと、俺はソフィア皇女との面会予約を取った。
そうして町に来た俺とアグニスは、ソフィア皇女とドロシーさんに『MAXすべすべ化粧水プレミアム』を見せて、その効果について説明した。
ソフィア皇女は感心してくれたけど、ドロシーさんは半信半疑みたいだった。
だから、まずは実際に使ってもらうことにしたんだ。
ドロシーさんの手の甲に、薄めた『MAXすべすべ化粧水プレミアム』を垂らして、まずは肌に合うかどうかチェックした。
問題ないことを確認してから、ドロシーさんに瓶ごと渡した。
その後、ドロシーさんには別室に移動して、本格的に
「こ、これは! すばらしい感触ですわ!」
──戻ってくるなり、ドロシーさんは感動の声をあげた。
「先ほどは錬金術師さまを疑うようなことを言って、申し訳ありませんでした!」
しかも、正座だった。
ドロシーさんは深々と頭を下げたあと、滑り込むように正座。
勇者世界の礼儀正しい『
「この化粧水は、わたくしの悩みを解決してくださいました! いつもは服を身につけるとチクチクしていた部分が、なんともなくなっています。チリチリもチクチクもしません。すばらしいですわ!」
「わかりましたから。土下座はしなくていいですから」
「は、はい……」
ドロシーさんは立ち上がる。
それから、俺の前で大きく両腕を広げて、
「お詫びの印に、わたくしが錬金術師さまの実験台になりますわ。どうか、くすぐってみてくださいませ!」
「はい?」
「……い、いえ。殿下のお話では、錬金術師さまはご自身が作られたマジックアイテムの効果を、いつもその目で確認されているとのことでしたので」
「はい。そのように申し上げました」
ドロシーさんの言葉に、ソフィア皇女はうなずいた。
「私と魔王陛下との会談の際も、『
「ですので、どうか、この化粧水の効果を、わたくしで確認してくださいませ」
ドロシーさんはきらきらした目で、そんなことを言った。
つまり『くすぐってください』ということらしい。
ドロシーさんは本当に『MAXスベスベ化粧水プレミアム』の効果に感動したみたいだ。
ドロシーさんは、よほど敏感肌に悩んでたんだろうな。
気配を察知するスキルを鍛えようとして、色々な修行をして、その結果すごく敏感になってしまったんだ。それがどれだけ大変なことなのか、俺には想像もつかない。
しかもドロシーさんは次期大公の妹でもある。
その高い地位にいる人が、俺の実験台になろうというんだから、相当な覚悟だ。
正直、尊敬する。
俺としても、ドロシーさんが実験台になってくれるのは助かる。
くすぐったがりのドロシーさんなら、化粧水の効果を確認するには最適だ。
彼女が『MAXすべすべ化粧水プレミアム』を使ったことでどう変化したのか、俺も気になる。となると、俺もドロシーさんの覚悟に答えないと──
「はい! その実験はトールさまの腹心のアグニスがやりますので!」
──そんなことを考えてたら、不意に、アグニスが手を挙げた。
「そういうことはアグニスがしますので。でないと、陛下やメイベルに怒られてしまいますので!」
「そうなの?」
「そうなので!」
「……うん。そうだね」
「それに……」
アグニスは俺の耳元に顔を近づけて、小声で、
「ソフィア殿下が『MAXすべすべ化粧水プレミアム』の瓶を手に、ドロシーさまの後ろに立っていらっしゃるのが、すごく気になるので。まるで次は自分の番だって言ってるみたいなので」
「……確かに」
俺が視線を向けると、ソフィア皇女は化粧水の瓶を、さっ、と、背中に隠した。
おだやかな笑みを浮かべてるけど、なにか企んでるような気配だ。
「トールさまがドロシーさまをくすぐったあとで、殿下が『次は私を』と言ったら、断りにくくなります。それはとても危険だと思うので……」
「さすがアグニス。ライゼンガ将軍直伝の戦略眼だね」
「いえ、これは策略でも軍略でもなくて、女の子の直感なので」
「……直感?」
「アグニスが同じ立場だったら、ドロシーさんの後ろに並んで──い、いえ、とにかく、ここはアグニスが実験をするべきだと思うので」
「わかった。それじゃ、アグニスにお願いするよ」
というわけでアグニスが軽く、ドロシーさんをくすぐってみることになった。
両腕を広げて、目を閉じて、覚悟を決めたように立っているドロシーさん。
その彼女の手の甲に、アグニスが触れると──
「どうですか? ドロシーさん」
「アグニスさまが触れているのは感じます。けれど、くすぐったくはないですわ」
ぱちり、と、ドロシーさんが目を見開く。
彼女は感動したように、何度もうなずく。
「感覚を鍛える修行をする前に戻ったようです。当たり前に触れてもらっていて、それを当たり前に感じております。敏感肌やくすぐったがりが完全に治っております!」
「気配察知のスキルの方はどうですか?」
「それは普通に機能していますわ。化粧水のおかげで、その強弱をコントロールできています。これはすごいですわ!」
よかった。
『MAXすべすべ化粧水プレミアム』は、しっかりと機能を果たしているようだ。
まぁ、勇者世界のアイテムだから、心配はしてなかったけど。
それに、
これで失敗したら俺の力不足だ。本当に、成功してよかった。
「さぁアグニスさま。遠慮はいりませんわ。続けてくださいませ……ん、あらら?」
──と、思ったら、ドロシーさんが首をかしげた。
「どうしたんですか? ドロシーさん」
俺が訊ねると、ドロシーさんは脇の下のあたりにふれて、
「いえ、ちょっと。服の内側の感触が……」
「まだチクチクするんですか?」
「それは大丈夫です。チクチクする部分には濃いめの化粧水を使っていますから」
「……え?」
俺が聞くと、ドロシーさんはソフィア皇女の方を見た。
恥ずかしそうな顔で口ごもるドロシーさんの代わりに、ソフィア皇女は、
「私が代わりにお話いたします。ドロシーさまは『敏感肌』ですから、下着の紐が触れるあたりに、肌にチクチクを感じていらしたのです」
「そうだったんですか……」
「はい。だから下着も肩紐のないものをつけていらしたそうなのですが、やはり多少のチクチクはあったそうです。だからそれが肌に触れるところに『MAXスベスベ化粧水プレミアム』を、少し濃いめに使っているそうなのです」
冷静に話をするソフィア皇女。
ドロシーさんは耳たぶまで真っ赤になって、ソフィア皇女に耳打ちしてる。
「……ふむふむ。下着が滑って、徐々に落ちてきているのですね」
「で、殿下。どうしてはっきりおっしゃいますの!?」
「私はトール・カナンさまに隠すことなど、なにひとつございません!」
ソフィア皇女は言い切った。
きっぱりと、なぜか
「それにドロシーさまにとってトール・カナンさまは、敏感肌対策をしてくださる方です。いわばお医者さまのようなものです。症状を伝えることを、恥ずかしがってはいけませんよ」
「そ、そうですけれど。そうかもしれませんけれど……わ、わわわっ!?」
「ドロシーさま?」
「い、いえ。下着が……ちょ、あの? 下着がさらに滑っているようなのですが!? 落下が止まらないのですが!?」
胸のあたりを必死に押さえるドロシーさん。
もしかして……。
「ドロシーさん。化粧水を濃いめに使ったそうですけど、水で薄めたんですよね? 原液のまま使ったりしていませんよね?」
「もちろんです。その部分は水と化粧水、1対1くらいで……」
「……え」
「実は、化粧水をテーブルに少しだけこぼしてしまいまして……もったいないので、お皿の水を染みこませた布を使って混ぜて、そのまま塗ったのです。問題ないと思っていたのですが……」
「はい。原因はそれです。なので、俺とアグニスは外に出てますね」
俺はドロシーさんに背中を向けた。
「その間にドロシーさんは、化粧水を洗い落としてください」
「え? え? え?」
「1対1だとほぼ原液です。ドロシーさんの下着は確実に落下します」
「え、えええええっ!?」
「そのあたりは、すでに実験済みなんです」
10倍の水で薄める……その数値は、直感で決めたわけじゃない。
俺とメイベル、アグニスの3人で実験して、編み出した割合なんだ。
そこに至るまでが大変だった。
原液のまま手につけて、滑って転んで起き上がれなくなったり。
それを助けようとしたメイベルと一緒に転がったり。
メイベルの下着が垂直落下したり。アグニスの身体に塗ってから『火の魔力』を解放して、肌に塗った化粧水がどれだけの熱に耐えるか実験したり。熱でも化粧水の効果が変わらなかったせいで、アグニスがとんでもないことになったり……。
正直、ふたりと婚約してなかったら、問題になるところだった。
そんな実験を繰り返して割り出したのが「化粧水1」対「水10」の比率なんだ。
「今後は用法と用量を守ってください。いいですね、ドロシーさん」
「は、はい……申し訳ありません」
「それじゃ、俺とアグニスは外にいますから」
『MAXスベスベ化粧水プレミアム』の使い方を注意したあと、俺とアグニスは廊下に出たのだった。
そうして、5分後。
「……ご迷惑をおかけいたしました」
再び部屋に入ると、ドロシーさんが深々と頭を下げていた。
「錬金術師さまのアイテムのすごさは……この肌で実感いたしました。申し訳ありませんでした。わたくしには、この化粧水を使う資格はないかと……」
「いえいえ、せっかく作ったんだから使ってください」
「よろしいのですか?」
「もちろんです。おかげで人に渡すときは、10倍に薄めてからにするべきだって、わかりましたから」
ただ、10倍に
ドロシーさんみたいに継続的に使う人は、管理が面倒になるんだ。場所も取るし、瓶もたくさん必要だし。
だから原液のまま渡したんだけど……やっぱり、改善が必要だな。
だから、これはドロシーさんだけじゃなくて、俺の失敗でもある。
それに、俺もメイベルもアグニスも化粧水の実験では色々と失敗を……っと、これは『なかったことにする』と3人で話し合って決めたんだっけ。
それはさておき。
「どうしますか? ちゃんと10倍に薄めて使うって約束してくれるなら、そのままお渡しします。難しいようなら一度回収して、薄めたものを渡しますけど」
「もちろん、きちんと用法を守ることをお約束いたしますわ!」
ドロシーさんは真剣な表情でうなずいた。
「このドロシー・リースタンの名誉にかけて誓います! もしも嘘偽りがあった場合は、いかなる罰でもお受けいたします!」
「私からもお願いいたします。トール・カナンさま」
ソフィア皇女がドロシーさんの言葉を継いだ。
「私が責任を持って、
なるほど。
まぁ、ソフィア皇女が保証してくれるなら大丈夫かな。
「わかりました。では、気をつけて使ってください」
俺は結局、化粧水は原液のまま、渡すことにした。
「その瓶に入ってる分を10倍に薄めて使えば、しばらくは保つでしょう。それで敏感肌が治るかもしれませんし、治らなかったら、またいい方法を考えますから」
「本当に……ありがとうございます」
「でも、すぐに洗い流せてよかったです。この化粧水は効果が強いから、なかなか落ちないんですよ。よく5分で洗い流せましたね?」
……あれ?
どうして視線を逸らすんですか、ドロシーさん。
上着とスカートを押さえてるのは……どうして?
「私からも、ドロシーさまに代わってお礼を申し上げます」
ソフィア皇女が俺の前に出て、頭を下げた。
ちなみにドロシーさんは真っ赤な顔で、ソフィア皇女の後ろに隠れてる。
「もしも、余裕がありましたら、私にもあの化粧水をいただけないでしょうか」
「はい。工房の方にまだ少し残りがありますから、それでよければ」
「もちろん構いません。むしろ、一度使えば十分で──」
「……ソフィア殿下?」
「いえ、こちらの話です。それより、大切なことを忘れておりました」
ソフィア皇女は、今思い出したように、ぽん、と手を叩いた。
「大公カロンさまから、新たなるご連絡が来ていたのでした。トール・カナンさまにもお伝えいたしますね」
そう言ってソフィア皇女は、棚から書簡を取り出した。
ドロシーさんに向けてうなずいてから、それを開いていく。
「帝都で動きがあったようです。やはり、高官会議も『例の箱』の調査を行うようですね。大公カロンさまによると、隠密行動と
「隠密行動と捕縛術ですか……」
「帝都にいたころ、聞いたことがあります。皇帝一族に仕える特殊部隊ですね」
なるほど。
帝国は様々な強さを重視してるからなぁ。
剣の強さ、魔術の強さ、飛び道具の強さなど。さまざまな武術を重視してる。
皇帝一族が、隠密行動や捕縛術に長けた部隊を使っていてもおかしくはないよな。
「こちらでも『例の箱』の調査を行います。ドロシーさまたち『レディ・オマワリサン部隊』が担当されますので、じきに手がかりも見つかるでしょう」
「は、はい。わたくしたちが担当いたしますわ」
ソフィア皇女の後ろで、ドロシーさんが、こくこく、とうなずいた。
「魔王領の皆さまにご迷惑をおかけすることはないと思います。ただ、わたくしたちになにかあったときに……その原因がわからなければ、混乱なさるでしょう」
「だから情報を教えてくれたんですね」
「我が大公国と魔王領は、友好関係にありますから」
ドロシーさんはそう言って、ぎこちなく笑ってみせた。
それを見たアグニスも笑顔になる。
これまで魔王領には、友好国と言える国はなかったからね。
大公カロンの縁者であるドロシーさんが、『友好関係』って言ってくれたことがうれしいんだろうな。
「わかりました。これらの情報は魔王陛下にお伝えします」
俺は言った。
「それと……念のため、なにかあったときの対策も考えておきますね」
「よろしくお願いいたします。錬金術師さま」
「あ、そうそう。もうひとつ、皆さまにお渡しするものがあったのでした」
ソフィア皇女は、数枚の書き付けを取り出した。
表面には大公国の紋章と、ソフィア皇女のサインがある。
これは──
「『滞在許可証』ですか?」
「そうです。魔王領の皆さまが、『ノーザの町』と周辺の町に、自由に出入りできるように作りました。もちろん、大公カロンさまの許可はいただいております」
書き付けには、こんなことが書かれている。
『この書簡を持っているお方は、私、ソフィア・ドルガリアの大切な友人です。
書簡の所有者と、その連れの方については、私が責任を持ちます。
丁重な応対をお願いいたします』
書き付けは数枚あり、それぞれに俺とアグニス、メイベルの名前が書かれている。
さすがにルキエ宛のものはなかった。
まぁ『この方は魔王ルキエ・エヴァーガルドさま』と書いてあったら、町の人はびっくりするからね。しょうがないか。
「本当は魔王陛下との会談の後にお渡しするつもりでしたが、化粧水のお礼も兼ねて、先にお渡しいたしますね」
「ありがとうございます。ソフィア殿下」
「ありがとうございますので!」
俺とアグニスはそろって、ソフィア皇女に頭を下げた。
本当にすごいな。ソフィア皇女は。
魔王領と大公国が友好関係にあることを、こうして書簡で示してくれたんだ。
これがあれば、魔王領と国境地帯の町や村との交流も進むはず。
俺たちにとっては、願ってもないものだ。
「このことは魔王陛下にお伝えして、必ずお礼をします」
「いえ、お礼はあの化粧水でよろしいです」
「あれは余りものですから。ソフィア殿下には、魔王陛下からもっと立派な──」
「化粧水でお願いいたします」
「……殿下?」
「ぜひとも、あの化粧水を少しでいいので、いただきたいのです。それをトール・カナンさまが届けてくだされば、十分です」
「は、はい。それでよろしければ」
「まったく問題ありません。はい、約束いたしましょう」
ソフィア皇女は俺の手を取り、小指をからめて、勇者世界に伝わる『ゆびきりげんまん』を始める。『指切った』で、約束成立。そうして、満足そうな笑みを浮かべた。
「それでは『例の箱』の情報が入ったら、すぐにお伝えいたしますね」
「は、はい。よろしくお願いします。ソフィア殿下」
「よろしくお願いいたしますので」
なんだか色々と引っかかるけど……まぁ、いいか。
ソフィア皇女が『MAXスベスベ化粧水プレミアム』の残りを欲しがってるなら、別にあげても構わない。ソフィア皇女も元々身体が弱かったからね。肌のケアをしたいんだろうな。
そんな感じで、俺たちはソフィア皇女とドロシーさんに見送られながら、屋敷を出た。
その後──『ノーザの町』を出て、少し経ったころ、ふと、アグニスが足を止めた。
「……トールさま」
「どしたのアグニス」
「実はアグニスにも……あの化粧水を少し、いただきたいので」
「あれ? 『使いこなすのが難しいからいらない』って言ってなかったっけ?」
実験のとき、アグニスは大変なことになってたからな。
『地の魔織布』の水着が──いや、あの記憶は封印することにしたんだっけ。
「念のためなので」
アグニスは真剣な表情で、そう宣言した。
「いざという時のために、アグニスもあの化粧水のあつかいを訓練しておいた方がいいと思うので。なんというか……ソフィア殿下が、新たな使い方を考えていそうなので……」
「なんだかよくわからないけど……うん。いいよ」
余り……とは言ったけど、実はあの化粧水は、かなりの量が残ってる。
羽妖精たちの涙を使い切ろうとしたら、結構な量になっちゃったんだよな。
使い道が難しいから、封印してあるだけで。
「というか、そんなにかしこまらなくていいんだよ。俺とアグニスは……その……婚約者なんだから。好きに使って使ってくれてもいいんだ」
「…………トールさま」
何故か、ぷい、と横を向くアグニス。
「トールさまは時々、アグニスに不意打ちをするので」
「……そうなの?」
「そうなので」
「わかった。気をつける」
「……気をつけなくても、いいので」
アグニスはそう言って、俺の手を取った。
「トールさまのそういうところも、アグニスは受け入れるので。アグニスはトールさまの……その……婚約者、なので」
「……そっか」
「……そうなので」
気づくと、俺とアグニスは手を繋いでいた。
町を出て、魔王領に向かう帰り道。
国境の森では、ライゼンガ将軍の部下たちが、俺たちの帰りを待っている。このまま歩いてると、手を繋いでるのがわかっちゃうな。でも、なんとなく放す気になれなくて、俺たちは手を繋いだまま、森の中へ。
「……あのさ。アグニス」
「はい。トールさま」
「アグニスの肌はすべすべだから、化粧水はいらないんじゃないかな?」
「……トールさまは、女心がわかってないので」
アグニスはそう言って、なぜか、不敵な笑みを浮かべてみせた。
「だからこれから、アグニスが……メイベルと一緒に教えて差し上げるので」
「……おてやわらかにお願いします」
「はい。トールさま!」
そんな感じで、結局、俺たちは手を繋いだまま、ライゼンガ将軍の屋敷へと戻ったのだった。
──────────────────
【お知らせです】
いつも「創造錬金術師」をお読みいただき、ありがとうございます!
「ヤングエースUP」で「創造錬金術師は自由を謳歌する」のコミカライズがスタートしました。ただいま、第1話−1から第1話−3まで掲載されています。
次回の更新は7月13日です。
ぜひ、読んでみてください!
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書き下ろしエピソードも追加してますので、よろしくお願いします!
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