第16話 柔らかった
8月の猛暑。私と宵ちゃんは、せせらぎが近くにある木漏れ日の下で涼んでいた。
「怪人…見つからないね」
勝負の件もあって私たちは怪人を探しまわているが見つからず、私はそう口にした。
そもそも、常識が通じない上に普段から何処にいるのかすら判らない存在なのだから発見できなくて当然なのだが…
ぐったりとすると、不意に宵ちゃんの手足に視線が行った。
半袖、半ズボンから覗くその肌は以前の戦いで負った傷跡など無く、綺麗なものだった。
お兄ちゃん曰く、変身中の体は仮の肉体なのでその間に受けたダメージは変身を解けば無くなってしまうそうだ。
要するにトリ〇ン体だ。……もう、なんでもありだな…
それと、もう一つ気になったことが思い浮かび「普段からはブルマは穿かないの?」と質問をすると、彼女は、ため息 混じりに答えた。
「本当は穿きたいわよ、でも、お母さんは必要以上に露出する服を嫌うのよ」
なるほど、親の影響か、だとしたら宵ちゃんのブルマを
「ソッチの両親はどうなの?」
「
ソレを聞いて羨ましがられるが、そのおかげで兄がやりたい放題である。
そんな日常会話をしていたら、突然お兄ちゃんから怪人を見つけたと連絡が来る。
今回は、まだ一般に被害者は出ていない。これは理想的な展開だと思いながら私たちは伝えられた場所へ向かった。
※
場所は壊れた土管や錆びついたドラム缶が転がるトタン塀に囲まれた人気のない空き地であった。
そこに木製
「何してるの?」
「おお! キ…レッドブルマー。実はさっきから怪人に操られて、どうすることも出来なくてな」
言われて見ると怪人が持つ操り人形と同じポーズをしていた。
どうでもいいけど、男が真顔でセクシーポーズするとなんかジョ〇ョ立ちっぽく見えるのは、なんでなんでしょうね?
まぁ、そんなことよりも早く倒そうと思った瞬間、お兄ちゃんが糸が切れたようにバランスを崩し倒れ、変わりに私の体の自由を失う感覚に襲われた。
そこからレッドブルマーは足を高く持ち上げ、普段、人に見せることのない太ももの内側を晒す。
限界まで引き延ばされた筋肉によって作りだされる緩やかな曲線は臀部のところで急カーブを描き、女性特有の丸みある柔らかなラインを横に赤いブルマーがピッタリと肌に張り付くことで作りだされた丘の影とそこから伸びる一筋の
「ワーオッ! I字バランス! ビューティフォー!」
その声はブルーマーネイビーの一撃によって直ぐに地面へと叩き伏せられた。
「最低!」
彼女が軽蔑を口にしていると身動きできずI字バランスを続けるレッドブルマーを見てネイビーも足を上げようとするが、プルプルと震えほとんど上がらなかった。
「くっ…できない…」
「何やってるの!!」
マネするも同じことが出来ずに悔しがるブルーマーネイビーにキルカは思わず突っ込んだ。
「そんなことより早く助けて!」
「ごめん…」
ブルーマーネイビーは助けを求められ怪人に向かおうとすると、それを阻止するために怪人はキルカを操りブルマー戦士同士をぶつからせる。
「やっ!」
操られたレッドブルマーの手はネイビーの控えめな胸を掴み押し倒した。
「ごごご、ごめんない!」
目を回しながら慌てた様子でレッドブルマーは謝るも体は言う事を聞かずに、柔らかな小山を揉み続けた。
〈なんか自分のと違う〉
柔らかいには柔らかいのだがその奥に肋骨があるせいで思ってるよりは固く感じてしまうがそれでも指に吸い付く柔らかさが少しだけ心地よい感触であった。
「ふ…ゅ!っぅ…!」
触れられる側からは小鳥のように小さい声が漏れ、二人は顔は真っ赤にしながら交わり続ける。
「鼻血ブーーーーーーッ!!」
倒れた状態のままでお兄ちゃんが叫び出し血の池を作る。
うぜぇよ。というか興奮して鼻血出すとかリアクションが古いんだよ。
そして、そのまま彼は死体のようにダイイングメッセージを刻む。
〝尊〟
もう、このまま塵になってくれないかな。
兄の気持ち悪さを目にし嫌悪感しか湧かないキルカだったが、そんな感情とは関係なくブルマーネイビーへとセクハラ行為を続け、ついには体操服の下から手を入れ始める。
「いやぁぁ! やめてぇ!!」
「ッ!!?? ごめんなさい!!」
涙目になりそうなブルーマーネイビーに謝るも手は止まらず彼女の肌を愛撫する。
「ごめんなさい! レッドブルマー!!」
羞恥心が高まるとブルーマーネイビーは叫びレッドブルマーを押し飛ばし、怪人へと向かおうとするが動きを制止されてしまう。
今度は彼女が操られ身動きの自由を奪われると自らの意志に反して体操服を脱ぎ始める。
服を脱げば特に可愛げのないグレーのスポーツブラ姿となり、そのままその下着にまで自分の手がかかる。
「イヤァ!!」
泣きそうになりながら声を上げると小さな丘の影が見えかかるり、レッドブルマーはソレを阻止するために渾身の蹴りを怪人に叩き込んだ。
〈良かった一人しか操れなくて〉
レッドブルマーが安堵し、戦いが終わると土煙が収まる前に何故か自分の胸を触る。
〈やっぱり…なんか違う…〉
手にかかる重量感と沈む指に感じる触感は弾力の強さを持ち、ブルーマーネイビーのようなホイップクリームに少し硬さを持たせたような柔らかさが無かった。
「なにやってるんだ?」
土煙が晴れると胸を揉む彼女の姿を目にし、
「気にしないで! 最後のあがきで操られかけただけだから!」
「そ、そうか…」
そうは見えなかったが、と言いたいところであったが、謎の威圧感に
※
私たちは、一仕事 終えると怪人の首を適当にバックに入れて、宵ちゃんと別れの言葉を交わし、お兄ちゃんと帰路に着いた。
その途中、ミディアムボブの茶髪の女の子…同級生の
「あ…G…キルカ……」
驚いたことに彼女はいつものように あだ名で呼ばずにちゃんと名前で呼んでくれた。
「ちょっと二人で話したいんだけど…いい…?」
黒井さんがそう言うとお兄ちゃんは気を遣って先に帰って行く。
話ってなんだろう。そう思っていると彼女は言った。
「ねぇ、貴女の正体…知っちゃったわ…レッドブルマー…」
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