第7話 操作方法

「eスポーツで大事なことには戦略 戦術 操作がある」

部長の神城くんが言う。

eスポーツには大事なことが三つあるらしい。

なんとなく操作の大事さはわかる。一般的なイメージとしても、反射神経が大事なかんじがする。でも神城くんが言うところによると、それは大事なことのうちの一つでしかないようだ。


「まずは操作を覚えてもらうわ」

綾崎さんが言う。

そしてコントローラーを自分ももって説明する。


「スティックで移動 ZRで攻撃 Rでサブウエポン 必殺技がたまったら右のスティック押し込み yでジャンプ」

彼女は、一個ずつやって見せて教えてくれた。

Rというのは表面のボタンではなく上の方についているボタン。

昔のゲームとちがって最近のゲームはこのボタンを駆使して遊ぶ。


「これだけ?」

僕は聞き返す。

もっと複雑そうに見えていたからだ。

基本的には弾と爆弾をつかって、時に必殺技があるというゲームらしい。

できることはかなりシンプルだ。


「そう、これだけだけど奥が深いわ」

彼女は嬉しそうに言う。

このゲームが好きなのだろう。

その情熱が伝わってくる。


「面白そう」

僕は呟く。

説明を聞いてすでにやってみたくなっている。

勝敗関係なくただ遊ぶだけでも十分におもしろそうだ。


「まずは、コンピュータとやってみて」

綾崎さんが言う。そしてここをこうすればコンピュータと対戦できるわと言いながら、セッティングを進めてくれる。そして、ゲームが始まっていた。


「ほら敵が来たわよ!打ってみて」

彼女は僕がぼーっとしているのをみて言う。

遠いところからじわじわと敵がゆっくりきていた。

説明は聞いたもののどうやっていいかわからない。


「え?え?」

僕は戸惑う。

何か右側のボタンを押すような気がしたけれども、どれかはよくわからない


「ZRボタンよ」

綾崎さんはさらりと言う。

彼女たちはすでにボタンの名前も位置も体に馴染んでいるのだろう。


「ZR?ZR?」

僕は呟きながら、ボタンを探す。

上の方にもボタンが二つあってどちらがZRかわからない。


「そう、上のボタンよ」

彼女は説明する。

やはり上にあるボタンのどちらからしい。


「ほらこれ!」

彼女は後ろに回り込み僕のコントローラーと僕を触りながら、ZRを押してくれた。


「え?」

僕は驚いた。

そして顔が真っ赤になっているのがわかる。


「はい、これで倒した」

綾崎さんはニコッと笑ってそういった。

彼女は僕の体に触れたことは特になんとも思っていないらしい。

僕の顔は真っ赤なままだ。


「基本はこれだけ」

彼女は簡単そうに言う。

これだけでも僕に取ってはなかなか難しい。

しかしがんばればなんとかなりそうだ。


「でも、相手は人間こう簡単にはいかないわ」

彼女は続けて言う。そう、このゲームは実際の人が4人対4人計8人で戦う戦略ゲームなのだった。

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