第2話

 


 5秒で、とあるビルの屋上に到着。そこにいたのは、モデルみたいな美女を口説いているおっさん。


 ドッスン!


 オンブズゥーマンの着陸音に振り向くおっさん。すかさず、おっさんの膝を蹴る。おっさん、よろめく。


「わ~い、オンブズゥーマンや~。キャッキャッ! 待ってたで」


「おおきに~」


 オンブズゥーマン、親指を立てて、ウインク。おっさん、ヨロヨロしながら、非常階段を下りる。


「オンブズゥーマン、ありがとな。めっちゃ好きやわ。チュッ!」


 モデルみたいな美女、オンブズゥーマンのおてもやんほっぺにキス。けど、けど、ご存じのとおり、オンブズゥーマンのほっぺたは赤いので、モデルみたいな美女のキスマークは目立たない。ん~~~~、ほんまに、ほんまに残念!


「おおきに~。ところで、今のおっさんは何者やねん?」


「わてが働いてる会社の社長やねん」


「エッ! ……ええんか? パンチ食らわしたけど」


「えーのん。辞める覚悟はできてるさかい。セクハラおやじの言いなりなんかならへん」


「そうか? 覚悟ができてるんやったら、ええけど」


「うん、でけてる。なぁ? オンブズゥーマンさん」


「なんや?」


「また、なんかあったら、助けてコールしてえーか?」


「もち、ええでぇ。いつでもオッケーや。全国の空を巡回してるさかい」


「ほんまに? うれしいわ。なぁ? 今度、お茶せーへん」


「お茶でも、焼酎でも、どぶろくでも、なんでもええでぇ」


「ほんまに? めっちゃうれしいわ。これ、名刺。はい。携帯の電話番号とメアド付きやねん。助けてコールするさかい、お茶してや。じゃあね、バイバ~イ」


 オンブズゥーマンに名刺を渡したモデルみたいな美女、手を振りながら、さよなら。


 ニッとしたオンブズゥーマンも手を振りながら、さよなら。名刺をウエストポーチにしまうと、


 シュワッチ!


 大阪の夜空に飛び立った。




 ♪

 オンブズゥーマン

 オンブズゥーマン


 人形おんぶした

 オンブズゥーマン


 デブっちょウーマン

 ウーマンパワー


 オンブズゥーマン

 プリティ・ウーマン


 ちゃうちゃうオンブズゥーマン


 オンブズゥーマン

 オンブズゥーマン


 ぼくらのヒロイン

 わてらのサーロイン


 ちゃうちゃうヒロイン


 オンブズゥーマン

 オンブズゥーマン




 今日もまた、日本だけの夜空に、オンブズゥーマンのテーマ曲が響き渡るのら~。

 


 この世にもめ事がある限り、オンブズゥーマンは今日も行く。


 ピカッ! ピカッ!


『オンブズゥーマン、助けてー! お母ちゃんが、お母ちゃんが……』


 女の子の声をキャッチ。


「どうちた? すぐ行くから待っててちょー」

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