夏なので、怖い話でもしましょうか。

御手洗 一貴

第1話 はじめての心霊体験!~人魂~


この話は実際にわたしが体験した話です。



小学生の頃に住んでいた家は、A県の田舎町です。


夕食も終わって、家族団らん中。

ふとエレクトーン(電子オルガン)の練習がしたくなり、わたしはひとり、リビングからダイニングへ移動しました。


ダイニングへ入ると、わたしは目を疑いました。

真っ暗な部屋に、両手ほどの大きさの真っ青な火の玉が、右へ左へ振り子のように揺れているのです。


子供だったからでしょうか、心霊的な恐怖は感じませんでした。

むしろこのまま火事になったほうが怖いという思いが先行し、叫び声をあげながら母を呼びに行きました。


再び母とダイニングを訪れると、そこにはもう火の玉はおらず、部屋のどこにも焦げたあとはありませんでした。


大人になってから知りましたが、当時住んでいたあの辺り一帯は、元々病院の跡地だったそうです。

自分達の家が病院のどの辺りだったのかまでは分かりません。しかし、「ああ、どおりで……。」と、妙に納得がいきました。


この家で起こった現象は様々あります。

誰も居ない室内から目の前に居るような叫び声がした、黒い人影がドアに消えていく、足音、などなど。

しかし日常茶飯事過ぎたので、当時はさほど気になりませんでした。


わたしの実家は、いまT県にあります。

しかし、このA県の実家も、今もまだ持ち家なのです。


誰も住んでいないあの家が今どうなっているのか。

考える度に鳥肌がたちます。

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