深夜３時３分３３秒。

「お願い　このまま１０秒だけ…」

別れの予感がする。

橙色のライトをテラス街灯の下、ふたりの残像を光が揺らす。

「ん？　深夜３時３分３４秒」

相当な時間が過ぎたと思われたが、１秒しか経過していない。

「お願い　このままずっとあと１０秒だけ…」

「ああ」

「あと１０秒…」

「あああ」

「あと…」

「ああ　いつ別れの時が来るのだろう…初めての経験なので時間が経つのが遅すぎる」

二人は結婚した。

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