第23話 「dearest friend」
甘く切ない肩想いを皆さんは、きっと経験したことがあるでしょう。
この物語は、親友と恋を奪い合うといったありふれたストーリーでありながら、かつ友情、誓い、裏切り、決断、儚く、やり切ない思いを考えさせられ、異常に肩がこる非情に私的なお話である。
さて、時代は昭和。(令和生まれの皆さんすみません。昔話になっちゃいました)
ある田舎町に幼馴染の少年2人と1才年上の美人な先輩がいましたとさ。
ふたりともその1学年上の先輩の綺麗な横顔を見るだけだけに学校に通ってのさ。
ある日、ぼくは、隣の教室の窓際に座っている先輩を見るため校庭から背伸びしてこっそり覗いていた。
「あっ 先輩だ 可愛い顔して居眠りしているなぁ」
ぼくは思わず、うっとりする。
ぼくの背中を悪魔が叩く。
「お前の親友の弱点を教えたら、あの女とデートさせてあげる」
ぼくは、誘惑に負け、親友の家庭内のプライベートな秘密を密告する。
ぼくは、次の休日の午後からの半日だけ、先輩とデートを満喫する。そしてデートを終え別れた後、すぐに親友の家へと詫びに行く。
親友の家のドアをノックする。
「おー、どうした」
「実はお前に言わなければならないことがあるんだ」(動揺)
「何?先輩とデートでもした?」(悟られ さらに動揺)
「俺抜け駆けして、先輩と今日の午前中、デートしてしまったんだ」
「・・・・・・・」
「ほんと悪かった。しかもお前の家の恥ずかしい事色々教えちゃった」
「誰に?もしかして悪魔にか?」
「お前どうかしたのか。先輩に決まってるだろう」
ぼくは、午後からのデートで先輩がいやに優しくしてくれた理由を知った。
ぼくは自分の罪を親友にずっと告げることができなかった。
今、ぼくと先輩は結婚している。友は何処で何しているのか依然不明だ。
卑怯なぼくを潔白な友が責める。毎日夢にでてくる。昨日は天井からぼくのお腹に乗りかかってきた。隣の妻にも…。
ぼくは、10か月後、とうとうケジメをつけるために決断し、妻に告げる。
「ぼくらの子供ができる前に離婚しよう」
「あら、子ならもう生まれたわよ」
その子の顔は親友の顔と瓜二つであったとさ♪ あ それ♫
「眠謡聴いて、寝ましょう」
「ああ」眠れぬ世が続いた…
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