第12話 秒で刺す

「なあ、あの言葉刺さったヨナ」


「そうだヨナ」


「昨晩の視聴率、史上最高だったヨナ」


「ほんとだヨナ」


「ところでお前、秒でさされたことあるか?」


「どういう意味?恋愛?感動?それとも傷害?」


「生涯で一番さされたことあるかってことだヨナ」


「あまりないヨナ、あるヨナ」


「ヨナヨナ、秒で指して回る輩がいるそうだぞ」


「マジか。気をつけるわ。じゃあ、また」




私は怯えながら、親友の言葉を夜な夜な思い出す。


「あっ 分かった…」


ベットで寝そべり壁隅に目がいく。寝視線。


電波時計が一瞬の狂いもなく、秒で私の息の根を止めるまで指していく…。

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