第6話 初ランチタイムは逆ハーメンバーと

真白は気づいたら木陰の下でレジャーシートに座って4人の男と昼食をとっていた。

 「真白さん ここだとゆっくり食事できますね。」

 うれしそうに話しかけるの中学時代同級生だった二階堂紳一郎。

 「あ・・・ああ ありがとう二階堂紳一郎君。」

 (世和田区に住んでいるはずの人が、なぜかここに居る。)

 レジャーシートも彼が用意したものだ。

 「真白っていうんだ可愛い名前だね。色白の君にぴったりだ。おれは小早川旬と言うんだシュンっ呼んでよ。」

 先ほどまで女達と小競り合いをしていた男が極上の笑顔で続く。

 「小早川旬君 よろしく・・」

 (さっきの女子達と君の今後が心配だよ。)

 「自己紹介の流れのようですね。」

 手前に座っている大柄の男が、その横にちょこんと座っている細い小柄な少年に話しかける。

 「あのっ・・僕の事・・いや・・うん 和多屋睦月 よろしくね。」

 「和多屋睦月君 こちらこそ。」

 真白小柄な和多屋睦月に小さくて可愛いなと目細めた。

 「もういいんですか?」

 大柄な男が話しかけると和多屋睦月は耳打ちで何やら返事をし軽くうなづいた。

 「俺は・・・。」

 と言いかけると二階堂紳一郎が

 「学年代表で挨拶した加藤小鉄君だよね。昨日の挨拶は良かったね。優秀なんだね君。」

 「入試成績がトップのやつがするんだっけ。挨拶なんて全然聞いてなかったけど、てか、同じクラスだよね」

 小早川旬が続く、真白と小早川旬・加藤小鉄は同じクラスだった。

 「加藤小鉄君 よろしくおねがいします。」

 意外に和やかに食事が進む中、真白はなり困惑していた。

 寂しい一人ご飯にはならなかったものの、男4人囲まれての食事はいかがなものか。

 二度と会わないはずの中学同級生の二階堂紳一郎がどうも隣のクラスらしい。

 教室で修羅場っていた小早川旬が甘い視線を向けて来る。

 小動物的に可愛い和多屋睦月は、どういう流れでここに居るのか。

 学年代表の加藤小鉄も何故ここに居るのか。

 ウィンナーを齧りながら、ぎこちない笑顔をする真白に二階堂紳一郎が言った。

 「ホントは真白さんと二人ランチのはずだったんですけどね。明日はすぐに迎えに行きますから。待っててください。」

 至極当然と爽やかな感じで他の男たち牽制する。

 「なんだ、お前真白ちゃんの彼氏かよっ」

 小早川旬が怒り気味に聞く。

 「オレは真白さんの彼氏・将来的には夫になるものです。真白さんに近づかないでください。貴方誰ですか。」

 二階堂紳一郎と小早川旬が言い合いを始めた。

 「真白・・違うよね。恋人いないよね。」

  和多屋睦月が心配げに聞いてくる。

 「俺の調査では佐藤真白にストーカーはいても恋人はいない。」

 でかいおにぎりをほおばりながら加藤小鉄が続く。

 

 本当は、女子の群れに入ってオカズ交換しよーとかしている時間帯のはずなのに。

 入学二日目にして男に取り合いされている。なぜこうなるんだろう。

 普通が遠い。青い空を眺めながら真白は思った。

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