同級生5


 キュッキュッと鳴る体育館の床。

 今は彼氏の咲音の部活で、午後練を見に来ている。

 でも咲音さきねはとっても人気。

 シュートを入れたらいつも決まって

「「「「きゃーーー!」」」」

 と悲鳴が上がる。

 だからいつも不安になる。


 ピ──


 甲高い笛がなり、休憩に入った。

 いつも通り、咲音がこっちに走ってくる。

「おつかれ」

「おう。いつも来てくれてありがとな」

「ううん、私が来たいから。誰にも取られたくないもん……」

 あ、や、やばい。

 今心の中で言ったつもりが……。

はるもそう思っててくれたのか?」

「えっ?」

「俺はいつだって春のこと見てるんだからさ」

 う、うそ……。

「俺はそれだけ春が好きなんだよ。だから安心しろ」

「咲音、ありがとう。私も大好きだよ」

「じゃあ行くな」


 去り際に咲音の顔が近づいてきて聞こえたのはリップ音。

「また後で今の続きしような」


 彼の裏の顔が見え隠れしている今日この頃。

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