同級生4


 私は今、となりで寝ているはら涼介りょうすけくんをぼーっとみている。

 授業中なのによく寝るな、と思いながら。


「とりあえずこの問題を、じゃあ原。和訳してみろ」


 え、寝てんじゃん。

 起こさなきゃ。

 この気持ちよさそうな寝顔、もっと見たかったけど。


「原くん!  起きて! 先生指名したよ」

「……んん、やだ」

「ちょっ、ダメだってば、早く起きて」

「えぇー、今いい夢見てたのに……」


 ダメだけど、気になるな。

 でも今はダメ!


「と、とりあえず解いて!」

「ちぇー。××への道のりはなんですか? でーす」

「おお。よく解いたな、って言っても簡単なやつだがな」

「もぉ。先生酷いっすよ」

「すまんすまん」


 よかったぁ。

 うん、さっきのやつが気になる。

「さっきなんの夢見たの?」

「桃ちゃんと仲良くしてる夢。片想いだったから、かなって嬉しかったのに……」

「えっ」

「好きだよ」


 私と彼の、片想いが実った瞬間。

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