不要なひと
雪華すゝ゛め
不要びと
愛してくれる人はいる
だけど必要としてくれる人はいない
大切にしてくれる人はいる
だけど頼みにしてくれる人はいない
それが
不要ビト
わたしは誰
具体例を考えた
無かった
探しても探しても
無かった
頭の中の隅まで探しても
無かった
無用途なものなんて
無かった
わたしは何
初めに思いついたのはありんこ
私達にとってはただ地面をうろつくもの
だけど彼らは必要とされている
アリクイとか
みくろの世界で
果てしなく広がる広大な生態系の中で
わたしはさて
次に思いついたのはアスファルトにこびりついたガム
ゴミである
むしろ要らない
ないほうが見た目が良い
でもこれはわたしではない
わたしは捨てられることはない
わたしは
わたしは不要ビト
必要とされない
用途がない
この世の中にはそんなもの
なかった
わたしは
普通
普通である
際立ってめだちもしない
隠れていたりもしない
変な人でもない
才能もない
雰囲気 オーラ ない
成績はだいたいどれでも真ん中らへんをうようよする
だから頭は良くもないし悪くもない
運動も
同上
仕事を休んだ次の日
言われるのは
あ、昨日休んでたんだ
普通なのは悪いことじゃない
し、いい事でもない
ほら
エキストラである
エキストラ
そう
余分
余分は必要だ
何かあった時
糊で紙に貼る時余分がないと貼れない
てことは
わたしはエキストラではない
そんな素敵な名前ではない
疎外感
私をストーカーする疎外感
何処へ行っても疎外感
仕事を辞めた理由もそうだった
今家に居て感じるのも
疎外感
わたしの場所はどこ
目が怖い
周りの目
わたしを見る目
透明にはなりたくない
でも
人の目に映るのが怖い
それが自分を苦しめる
わかってるよ
そんなこと
キャラがない
個性がない
1人1人の個性を尊重する世の中で
個性がないと見えなくなる
人から
自分から
透明になる
不要なひと 雪華すゝ゛め @kakimonozukue_to_karasu
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