はぁ…

俺は勢いよく保健室のドアを開けた

「晴香!!!!」

ただ、俺の心配する必要はなかったみたいだった

「あ、お兄ちゃん」

なんで保健室にいるのかってくらいケロっとしていた

「え、お前。」

なにがどうなってるのか理解が追い付かない

その時後ろから追いかけてきた雪乃が息を切らしながらやってきた

「ハァハァ、ちょっとハル待って、ハァ」

俺相当なスピードで走ったみたい

そういえば結構汗かいている

「雪乃、お前、晴香が大変だって」

雪乃はなんでそんなこというのみたいな顔で

キョトンとしている

そして少し考えたあと呆れた顔をした

「あたしそんなこと一言も言ってないんだけど。

早とちりしすぎなのよ。どんだけ晴香ちゃんが大好きなのよ。

このシスコンが」

「ぐはぁ」

俺の心にクリティカルヒットだ

今のこいつはアタックフォルムだ…

「私はただ晴香ちゃんが早くハルを連れてきて大至急っていうから走って屋上まであんたを呼びに来ただけ。私だって内容は知らないわよ」

ほんとに俺の早とちりだったみたいだ

でもいいから保健室に来てって言われたらなんか怪我とか病気とかになったのかとか思うだろ

「んでそんなに早く俺を呼び出してなにがあったんだ?」

「いやぁ、階段でグリコしててパイナップルで一段飛ばして不正してたら階段踏み外しちゃって、捻挫ねんざ

「はぁ…」

本当に怪我だったみたいだが俺の心配は無用だったみたいだ

「なにため息ついてんの!」

晴香が頬を膨らませプリプリ怒っている

「いや、呆れただけだ」

晴香は両手を上にあげながら

「ムキー!」

怒ったと思えばすぐに切り替えて

「それで足捻挫して病院寄ってかなくちゃいけないからよろしく」

なぜか俺が察して当然みたいな雰囲気を出しながら話しているが

なんのことかさっぱりわからない

「え?なにが?というかお兄ちゃんも一緒に病院行くぞ?」

「そうじゃなくて。昨日今日とお母さん会社に泊まりがけで仕事だから今日の夕飯は私が作るように頼まれてたんだけどこれだからお兄ちゃんが夕飯作って」

「なんだそういうことか。いいぞ。でも病院行く前に一回家帰るぞ」

「なんで?」

「保険証持ってないだろ」

保険証持ってると持ってないだけで値段変わってくるからな

「あそっか」

話を静かに聞いていた雪乃がぴょんといすから降りて

ケツをフリフリ横に振りながら

「ねえ。私もお夕飯一緒に作っていい?」

う~ん。一人で作れるがあいつが病院行ってる間喋り相手いないし丁度いいか

お願いしよう

「いいのか?」

「うん。少しでもハルと一緒にいたいしね」

一応釘さしておくか

「また媚薬とか睡眠薬いれんなよ」

「ギク」

入れるつもりだったらしい

前回妹と作ってくれたとき俺のところだけこっそり媚薬を入れていたらしい

俺の鉄壁の理性のおかげで貞操を守りきることはできたが睡眠剤とかも一緒に入れられたらさすがの俺もやばい

そのすきに無理矢理襲われる可能性も無くはない

なんてったってあの雪乃だからな

「どうする。病院4時までらしいぞ」

そうしたら今まで晴香の手当てをしていた養護の先生が口を開いた

「なら早退したほうがいいですね。こういうのは専門の人にいち早く診せたほうがいいですから」

そっちのほうがいいわな一人で行って貰うか

「じゃあそうします。晴香、一人で保険証取りに戻って行けるか?」

「えお兄ちゃんついてきてくんないの」

「いやだってほら授業まだ半分残ってるし」

そしたら晴香が呆れた顔で

「真面目だなー」

なんていうもんだから

「サボるわけにはいかないんだよ」

と正論を叩きつけると、意外な人が口を開いた

「岡部君、付いて行ってくれませんか?いくら4時とはいえ、帰ってくる頃には今の季節だと外は真っ暗です。女の子一人は危険です。」

なんてことを言われてしまった

先生に言われると断れないな

「わかりました。早退届出してきます」

「はい。いってらっしゃい」

笑顔で送り出されてしまった

これだから俺はこのままなんだよなぁ


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