鉄塔


 嫉妬をした鉄塔の脈は

 空の上に一際つよく

 赤い線を引いている


 雲は海の彼方から

 道は谷の奥底から

 人は太古の昔から


 商業ビルを本にして学んだ鉄塔は

 重い頁が開けなくて

 今日も少し読んでは放ってしまう

 

 4本の足の下に

 祈るだけでいい

 化石が眠るはずだ

 そう考えると

 眠い網目状の青空が

 灰のように分裂していく



 泥に溶けた飛行機は

 化石になるのではないか


 

 博物学は街に無いので

 商業ビルの本の上には

 答えが見つけられなかった。

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