スライムでも分かる魔術入門書

玄武 水滉

はじめに

 この本を手にしたという事は、恐らく魔術が使えない。そして魔術が使いたいという事だろう。魔術が使える、そして無詠唱技術や高速魔法陣が使えるものははっきり言って、この本では勉強にはならないだろう。直ぐにこの本を閉じて、『スケルトンでも分かる魔術発展書』を買う事をお勧めしよう。


 さて、この本では、魔術を使うにあたって必要な物、環境、そして技術を細かく纏めた。アバウトでもよかったのだが、魔術の間違った学びはマナの暴走をも引き起こして、最悪死に至る可能性もある。リスクは排除していて損はないだろう。

 ただ、細かくネチネチと言っても面白くないので、本書では私の経験、失敗談を交えて物語風に纏めてみた。勿論そう言ったものが要らない人の為に、ポイントを纏めたページもあるので安心してこの本を手に取って欲しい。

 現在の魔術とは、魔術が使えない者にも使える様にパターン化された物が蔓延っているが、本書で紹介する魔術は一から構築するものになる。勿論、最初のうちは難しいと思うが、頑張ってついてきて欲しい。出来るだけわかりやすく書いたつもりなので。

 しかし、本書だけでは分からない事もあるかも知れない。魔術は理論に基づく所と、感覚で対応する部分がある。理論は文字として起こせるが、感覚に関しては私が手取り足取り教えてあげる事は出来ないので、近くの魔術師や、学校の先生に是非聞いて欲しい。決してこの本だけで勉強を済まさない様に。


 本書は上記の事を踏まえ、非常に簡単な物に仕上げた。必要なものを映像魔術にて紹介したり、実際に使用している場面なども記載してある。これらを参考にして勉学に励んで欲しい。勿論これを読んで物足りない物は、先程書いた通り『スケルトンでも分かる魔術発展書』、そして『フェニックスでも難しい魔術極地書』を手に取って欲しい。きっと足りないものが見つかるだろう。


 最後に、この本を作るに当たって、魔法の始祖であるアルーシャ=ユードリッヒ氏を始め、出版及び編集に携わり、御苦労頂いた王都出版社のリー=エストロ氏には個々に多大なる感謝を申し上げたい。


 コーラン=シュタイン

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