第20話 日常への回帰

 朝、九時前。


 屋上のプレハブ小屋の戸を開けると、いつも通りにオッサンが寛いでいた。


「おはよー」

「お、おはようございます……」


 まるで何事もなかったかのように、雑誌を読んでいる。


だったなー」

「……はい」


 何事もなかったわけがない。


「あの、オッサンはずっとこういうことを、してるんすか?」

「俺みたいな社会不適合者にも使い道はあるってことらしい」


 オッサンは自虐的に嗤ってそう言った。

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