第15話 社用車に乗って

「遅いー」

「すんません!」


 オッサンは黒のジャージを着て、会社の前に自動車を止めて待っていた。

 古いセダンタイプの乗用車。


「それ、オッサンの車っすか?」

「社用車だよー。お前、免許は持ってるー?」

「持ってます。オートマ限定すけど」

「ならしょうがないなー。俺が運転するかー」


 ってマニュアル車かよこの社用車。


「今度マニュアル車も運転できるように免許センター行ってきなー。経費は会社が出すし、出勤扱いでいいからー」

「あっはい」

「じゃ、乗ってー」


 助手席に俺が乗るのとほぼ同時にオッサンは車を走らせた。

 あぶなっ。

 車はスルスルと加速し、高速道路へ。


「仕事って、これからどこに行くんです?」

「山奥ー」

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