第10話 ガラケーは今日も鳴らない

 プレハブ小屋でひとり。

 大昔の週刊誌を読んでいる。


 芸能人のスキャンダル。

 グラビア。

 政治汚職の話。

 暴走族の抗争の話。


 昔の雑誌は刺激的だ。

 ただ、勤務時間中に読むもんじゃないよなあ。


 古びたデスクの上に置いてあるガラケー。

 鳴る気配は微塵もない。

 いつか鳴るんだろうか、コレ。

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