入社早々やらかした俺と小汚いオッサンのふたりだけの暇な部署

江田・K

第1話 屋上のプレハブ

 とある大手企業に入社したまでは良かったが、その初日、俺は盛大にやらかしてしまった。具体的に言うと、新入社員研修後の懇親会で飲み過ぎて謎のハイテンションになって社長のヅラを剥ぎ取ってそこにゲロを吐いた。らしい。


 その翌日。

 部署――営業部だった――の先輩に会社の屋上に連れて行かれ、一枚の紙きれを渡された。その紙にはこう書かれていた。



 管理本部環境整備課勤務を命ずる。



 異動通知だった。

 つまり俺は入社二日目にして異動を申しつけられたというわけだ。


「ほら、今日からあそこがお前の仕事場だ。じゃあな」


 先輩が指差す先には雨風に晒されてサビの浮いたプレハブ小屋があった。


「……はい?」


 

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