思考というのは最大の娯楽である。特に今の私にとってはそうだ。

宇宙に人類は私一人。他者が存在しない環境では大部分の常識や前提が覆る。

それらを一つずつ見つけては再定義し直すのはどれだけ時間があっても足りないだろう。

地球で人類が活動していた頃の全世界での一日の出生数平均は知らないし、もはや知る術もないが、仮に一千万人としよう。

更に寿命を少なく見積って五十年とする。

社会とは相互に影響を及ぼしており、所謂偉人と呼ばれた者が目立つが、市井の人々も文明の発展には貢献している。

全員で文明を進めているわけだ。そうなると単純な計算で一日に一千万人が産まれ、五十年生きるとすると五億年の時間を人類が獲得したことになる。

そして人類はそんなことを二千年以上続けたのだ。

私一人で同じ水準に辿り着くには、それこそ無限と錯覚するほどの時間が必要だろう。

人間が神を超えたのは人間自身が自覚するよりも、もっともっと昔だったのかもしれない。

まあ私は今の生活に満足しているし、これだって仮のものだ。

気をつけなければならないのは、暇つぶしの思考に意識を取られてボタンを押す手を止めてしまうことだ。ぽちぽち

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい