乱丁データ14

気が遠くなったほど長い長い時間を一人で過ごして気づいたことは多々あるが、祈ることが無くなったのは大きなことなのだろうと思う。

このボタンもそうだが、無限に等しい時間があるのなら人は祈ることを止めるようだ。

この世界、あるいは他の世界があるのならそこでも、全ての事象は確率でしかない。

目隠しをして針穴に糸を通す。

宇宙を真っ直ぐ直線に進んでどこかの星に着く。

一つの種が惑星を若返らせる装置を作れる科学力を手に入れるまで進化する。

これらは全て時間と試行回数が無限なら成功は確定している。ならば失敗に意味はなく、意味がなければ存在せず、失敗が存在しないのなら祈る必要も無い。

これは神を超越したのだろうか。それとも克服?

あるいはこれこそが地獄なのかもしれない。

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