夢空の彼方

澄豚

1章

第1話 開戦

アラビア半島を納めている《ラディシュマナ・アバンサー》略してRA国がそこには存在していた。


約8億人が平和に暮らす国であるが1954年12月7日、突然平和が西から崩された。


管制塔

「全機緊急発進を開始!敵の国籍不明機を撃墜しろ!これは訓練ではない!繰り返す。これは訓練ではない!」


RA国第1空軍基地中に響き渡った。


パイロット及び整備班が一斉に外に駆け出し、戦闘機の離陸準備を進めた。


「クソ!こんな時にピンが抜けねぇ!強引にやるしかねぇなァ!クソがァ!」


「整備不良?いやそんな事は無いはずだ!数分前にはこんな事は起こらなかったぞ!」


基地にはそんな声が多く聞こえてきた。


そんな中ある中隊が離陸しようとしていた。


「あ、あれは…まさか!」


「あれは…タリバリン中隊だ!!タリバリン中隊が来たぞぉ!!」


AAs(エアリアル アバンサー)開発局が開発した第5世代制空戦闘機「RA-AF F-16A2アヴェンヌ」7機が滑走路上に並んでいた。


先頭から順にスロットルを開け、僅か4秒で離陸、そしてジェット機特有の轟音を夢空(むくう)に響かせながら西へ飛んで行った。


離陸して行ったタリバリン中隊を倉庫裏から覗いていた男は言った。

「あれが例の中隊か…先が楽しみだ。」


ラディシュマナ・アバンサー国とテイン・ストケル国との戦争


《ケタイルン戦争》の開戦だ。

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