第3話 苺一絵

縁側から見える庭にひまわりが咲く


日陰に咲くひまわり


日なたに咲くひまわり


中庸に咲くひまわり。


どれが一番美しいのかと


いつもぼくは考える


何もしないで見つめている


わたしが一番よと日なたに咲くひまわりが語りかけてくる


声の向こう正面の太陽光を追う


あともう少し


光を捕まえれたような気がしたけど捉えきれなかった




美術館で名画を見ている


その苺の絵に天窓から射す光が文字を重ねる


勇気があったら



あともう少し勇気があったら


ぼくと君の人生は薔薇色だった


突然黄色いワンピースを着た娘が3人現る


ぼくは迷わず真ん中の娘を絵ラヴ


「ほどほどがいいのさ」


ぼくらは薔薇色の言葉と映像を捨て


互い平凡な人生を選択し


その場を去る


互いの存在を消す

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