第37話 柚の過去

 クラスでもいじめが始まった。


私の席には触れたくないんだって。


隣の席とは、くっつけるルールなのに、私の席だけ10センチくらい離されてる。


無視もされた。


私のクラスには味方がいなかった。


私は休み時間より授業中が好きだった。


なぜかと言うと、休み時間になるとみんな友達と一緒に話すから。


わたしは友達はいない。


私だけが、まるで世界から見放されたような気になる。


笑い声が嘲笑に聞こえる。


みんな私の悪口を言っている気がする。


給食は、そういうストレスのせいで喉を通らず、時間内に食べきれなかった。


つらかった。


トイレ掃除の担当の時、


「トイレ掃除1人でお願いね」


と頼まれた。


「掃除が終わる時間になったら呼びに行くから」


と。


でも、誰も呼びにこなかった。


掃除が終わって、反省会も終わった後、私は教室に戻ろうとした。


廊下で泣きそうになった。


なんで、こんな思いしなきゃいけないんだろう。と。


ある昼休み、突然クラスの子たちから、一緒に遊ぼうと言われた。


やっと、いじめが終わるのかと思った。


でも違った。


それは、私を辱めるための遊びだった。


トランプでババ抜きをした。


明らかに、私以外の人たちは、チラチラ見合っている。


私が負けた。



「じゃあ、罰ゲームね」


「1年から3年の教室の前の廊下を全力で走ってきてね」


私は走った。


悔しかったけど、逆らえなかった。


公開処刑だった。


みんな、物珍しそうな顔で、ひそひそ私をみては、嘲笑う。


つらい。


親友と呼んでいた子からも裏切られた。


親友も、あいつらの仲間になったんだ。


朝一緒に登校してた親友に、


「一緒に行けない」


と言われたのだ。


言われた後、わたしは1人で通った。


親友は、いじめてきてる子たちと登校し始めた。


辛かった。死にたかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る