第21話
私の母が見舞いにきてくれた。
すごく心配していた。
「ゆず! 目、覚まして良かった。心配したよ」
「ごめんね。心配かけて。来てくれてありがとう」
「まだ痛いよね?」
「少しね」
「もー! 少しでも相談してくれればよかったのに!
迷惑かけたくないとかおもってるんでしょ? そんなことないんだからね! 今度からはちゃんと言ってよね」
何でもお見通しだな。ママは。ほんと、大好きだな。
「なんか、食べたいものある?」
「えー、すし」
「すしかよ! 退院したら食べにいこうね」
久しぶりにママと話をした。
ずいぶん、実家に帰ってなかったからね。
楽しい。笑顔になれる。
ママはしばらく、近くのホテルに泊まってくれるみたい。
大学生の妹も見舞いにきてくれた。
「柚ちゃん! 大丈夫? やばすぎでしょ」
「それな、ほんと終わったかと思った」
「もー、なにしてんだかー。まぁ、無事で本当良かったよ」
原田が逮捕されたことによって、ニュースでも報道されて、全国ニュースにもなってしまったようで、心配みたいだ。
心もお見舞いにきてくれた。
「ゆずさーん! 心配しましたよー! 生きててよかったですー!」
「死んだかとおもった。来てくれてありがとう。会社大変だよね?」
「社長がなんとかこうとかやってくれてるので、心配いらないですよ! ゆっくり休んでください! 社長もあとでお見舞い行くって言ってましたよ」
「えー、すっぴんなのに。ま、いいか」
「あ、そいえば、ゆずさんの好きなフルーツセット買ってきましたよ!」
「わぉ、ありがとう! 美味しそう」
心が持ってきてくれたフルーツはとても美味しかった。
警察もきた。
ストーカーの相談受けてたのに、防げなかったことに謝罪してきた。申し訳なかったと。
でも、あんなの誰も止めれなかったと思うから全然いいのに。
ご丁寧に警察から謝ってくるなんて…でも、もう少しで死ぬところだったからそれくらいするのかな。
また、原田の取り調べもするから、それが終わったらまた話を聞きにきますと言ってきた。
警察も大変だ。
私なんかのためにすみませんと思った。
今日は出入りの激しい日になった。
でも、元気はもらえた。
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