生きてる価値を探す日々
みお
第1話
「おまえなんて、この世に存在しなきゃ良かったのに」
「そんなこと分かってる。分かってるからもうそんなこと言わないで」
そう叫ぼうとしたとき、ハッと目が覚めた。またこの夢だ。私を虐めていた奴が薄笑いを浮かべて私を冷ややかな視線で見ている。冷や汗で、パジャマが少し湿っている。
過去のことなんて、もう思い出したくないのに。
生きてる価値ってなんだろう。
私なんていなくてもいいんじゃないか。
そう思いながら毎日を探す。
そして、今日も仕事に向かう。
いつからこんな人間になってしまったのだろう。
そうだ、こんなふうに思ってしまったのも、あの事件が引き金になってる。
や、思い起こしてみれば、生きてる価値について考えた始めたのは中学生のとき。
そして、より考え始めたのはあの事件があってから。
太宰治の言葉を使わせてもらうならば、私は人間失格だ。
いじめられた時に、その烙印は押された。
しかし、私は生きている。
なぜ、生きているのか。生きる資格なんてないんじゃないか。
生きてる価値ってなんだろう。
私なんて居なくてもいいんじゃないか。
誰しも、一度はそんなことを考えてしまった事があるのではないだろうか。
例えば気持ちが沈んでしまった時、挫折をしてしまった時。
どうしようもなく気持ちが滅入ってしまった時なんかは特にそうだ。
いや、そう思ったことがない人も世の中にはたくさんいるか。
ちなみに、私は、今まで何度もそう思ってきた。一人で泣いて憂鬱になっている時が何度あったことか。
仕事に行くことも嫌で、行きたくないなと思いながら、今日も車に乗り、仕事へと向かう。
そんな仕事辞めればいいじゃんと思われると思うが、何かになりたいという夢もない。
結局、やりたい仕事が見つからないんだよな。
でも、生きていくためには、何らかの仕事をするしかない。
いや、そもそも生きなきゃいけないのか? と思う時もある。
生きているだけで、心が痛くて辛くなる。
運転しているとき、ガードレールにぶつかれば死ねば何も考えなくて済むななんて思ってしまう。
何度そう思ったことか。
でも、その壊れたガードレールを直してくれる人に迷惑かかるから申し訳ないな、とも思う。だから、まだやったことはない。
じゃあ、誰もいないところでやれば迷惑もかからないよね。
そんなことを考えていると、あっという間に職場についてしまう。
今日もまた仕事が始まる。
仕事に行くのが楽しいと思えたらどんなに幸せだろう。
生きるのが楽しいと毎日思えたらどんなに幸せだろう。
楽しいと感じる時もある。
しかし、憂鬱、死にたいと思うときもある。
そう思う日が他の人よりも多いんだと思う。
そんなときは、仕事にも行きたくなくなる。
私が生きてる価値ってあるのかな。
生きてる価値を探しながら、今日も仕事へ行く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます