君と僕との2人旅

@sosu

第1話 君と僕との2人旅

「ねぇ、クルス」


バイクに取り付けているサイドカーに乗りながら何気なく話しかけてくる。

この子は『ミリア』旅を始めたばかりの時に出会った16歳のかわいい少女だ。

淡い栗色のミディアムヘアで小柄な体をしているので最初会った時「12歳くらい?」と言ってしまい怒られた記憶は今でも覚えている。……あれは、怖かった……


「何?ミリア」


そんなことを考えながら、僕も何気なくそう答える。僕は「クルス」歳は18身長は180あるかないか。···きっとある。ある事情から旅に出ることにした。別に旅に出なきゃ行けない訳では無かったのだが、色々なところを見てまわりたいという理由で旅に出た。これだけが理由という訳では無いのだかそれはまた別の話。


「次、行くところはもう決まってるの?」

「んー、ここからもう少し東に行ったところにチーズとか乳製品の美味しいところがあるらしいからそこに行こうと思ってるんだけど、どう?」

「わかった、であとどれくらい?」

「着くのは、明日の昼くらいだね。

だからその分今日のうちに集めないと寝るところとか食料とか買えないかも」


集めるというのは魔物を倒した証明として魔物の角や牙などである。魔物を狩ればお金が貰えるなんて脳筋(僕)に優しいんだと常日頃から思っている。そして、たまにどこから取って来たのか分からないようなお宝をもっている魔物もいるのでそれも売る。


「ちゃんと食材を買うのよ!

加工品は高いんだから、食材を買ってきなさい!買ってきたら私が長持ちするようにしとくから!」

「はい…」


ミリアがいてくれてほんと良かった、戦うこと以外ほぼ何も出来ない僕とは違い、頭もいいし料理も出来る。それに美味しい。

···持つべきものはミリアだなぁ。


「へ?///」

「どうしたの?」

「いや、今だって、急にそんなこと////」

「え、僕口に出ててた?

まぁいいや本心だし」

「ッ!?////////」


ミリアはそれから俯いて喋らなくなった

僕の気持ちは本心なんだから別にいいのだけど、いきなり言われたら不快にもなる。

あとでそれとなく謝ろう。

そうこうしてるうちに今日の野宿する場所に着いた。


「ミリア着いたよ」

「うん?あ、あ〜うん」


寝てしまっていたらしい。喋らずにいれば眠たくもなる。


「もう少しで日も落ちるし早く準備しちゃおう。その後はいつも通り」

「わかった。」


バイクの後ろから野宿用の一式をとって準備した。ミリアの作った美味しい手料理食べた。美味しかった。その後は夜になっていつも通り狩りに行った。


「ここら辺は、森の近くだけど村の近くでもあるから知能のある魔物はいないと思ってたんだかなんでだろう?」


魔物は大体が夜行性で夜に行動する。

知能のある魔物は大きい村や国だと兵士や魔物を狩ってお金を得るのを生業としている人が多くいるのを分かっているので、近づかないのだが、何故だろう。


「何か、強い魔物が近くに来ているのかもしれない。」

「あーそういうことか、だから怯えて逃げてきたってこと?」

「多分、そうだと思う」

「まぁ、いっか知能ある魔物の方が高値がつくから」


そう言って僕は、狩りに狩りまくった。


「大量大量!満足です!」


と言いつつ僕は、狩りに使ったナイフとリボルバーをしまった。


「いつも思うんだけど、クルスってカッコ····凄いわね。戦うこと以外アレだけど戦うことだけならそこらの騎士なら勝てると思うの。そういうのどこで学んだの?」

「うーん、騎士に勝てるかは分からないけどこの技術を教えてくれたのは父さんだよ。

「クルスのお父さんってすごいのね。そういえば、クルスから家族の話って聞いたことないかも、そ、そのうち挨拶にも行きたいし///」


僕は、言うのを悩んだ。ミリアにはいつか言おうと思ってたからちょうどいいなと思った。


「父さんは死んだんだ。」

「えっ、ご、ごめんなさい。私知らなかったとはいえ、はしゃぎすぎてた···」

「いや、いいんだ。知らなかったんだから。ミリアにはいつか言おうと思ってたんだけど····」


そして僕は続けて真剣な顔をして、


「聞いてくれる?」

「も、もちろん」


そして僕は昔の話を始めた。

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