境地

緋糸椎

第一部

§ 刑法第11条

1 死刑は、刑事施設内において、絞首して執行する。

2 死刑の言渡しを受けた者は、その執行に至るまで刑事施設に拘置する。

§ 毎朝新聞　平成○年△月□日

【準強姦罪容疑の牧師に無罪判決】

　Ａ県Ｂ市内の教団施設内で信者の女性にわいせつな行為をしたとして、準強姦罪に問われた東京安寧教会主任牧師、イ・ヨンスク被告（５７）に対する判決公判がＢ地裁で行われた。和久憲政裁判長は「原告の主張する事実を認定すべき証拠はなく、証言の信用性は否定せざるを得ない」として、原因の訴えを棄却し、イ被告に無罪を言い渡した。

　冒頭陳述において検察側は、「従わなければ祝福のない人生を歩むと信じ込ませ、長期にわたり、わいせつ行為を繰り返した」と指摘する一方、弁護側は「当日は、被告は接待をしていたので、そんな状況はあり得ない」と主張していた。

　判決を受けて、原告団は判決に不服を申し立て、控訴する構えを見せている。また、原告団を支援するキリスト教系女性支援団体「モルデカイの会」の御子柴由紀恵（みこしば・ゆきえ）代表は、「この度の判決結果は受け入れがたい。我々は今後、真実を明らかにするために尽力する」とのコメントを発表した。

　イ被告が理事長を務める世界安寧宣教団の榊原和夫（さかきばら・かずお）副理事長は、御子柴代表の発言を遺憾であるとした上で、「今回の訴訟により、我々教団の名誉は著しく毀損された。原告及び支援者がこれ以上騒ぎを大きくするなら、我々は損害賠償の請求も辞さない」と述べた。