最終部

最終部第1話「シュプールに花束を」

終末の巨人を倒し、世界の危機は去った。


そのはずであったが、巨人を倒したことを契機として世界に降り出した光る雪。

これは当初こそ勝利を称える祝福の雪と見られていた。


「星雪」と名付けられたこの謎の天候は全世界的に巻き起こっている。

それは、聖戦士の頭脳であったタビットの魔術師、"賢者"オーブレイの遺産であったが、それに気が付いている者は、まだほんの極僅かであった…


"星月巡り"の一員・サフランの一族には、

「光る雪が世界に降るとき、叡智は拓かれるだろう」

と伝えられる開かずの箱が伝わっていた。この星雪が降ったことにより、予言の通り箱が解放されているのではないかと考え、一行はサフランの故郷のユーシズ魔導公国へと向かうことにした。


ユーシズに向かうのはもう一つ理由があった。

巨人との戦いの後、程なくして聖女殺しの罪で投獄されていた"白金の戦乙女"クリスの処刑を実行したとハーヴェス王国は発表したが、関係の深い"星月巡り"一行にはその処刑は偽情報であり、実際には政治的取引によってランドールから来た"勇者王"エルヴィン=クドリチュカに引き渡されたという情報が入っている。

ハーヴェス国王のヴァイスとしては、クリス個人に責はないとしながらも、物事の筋として処刑は実行したことにしなければならない。それでいて彼女が死ななくて済むのであれば良いだろうということで、遠方の新興国家たるエルヴィンの登用に理解を示したということであった。


だが、エルヴィンの野心を知っている"星月巡り"一行としては、聖戦士の末裔で神器を持つクリスが、何らかの形で利用されるのではないかという懸念を持っていた。"勇者王"エルヴィンはランドール地方に帰らずユーシズ魔導公国へと向かったと聞き、ユーシズ訪問は彼に真意を問い質したいという狙いもあった。


ユーシズ魔導公国の辺境にあるサフランの故郷に帰ると、その村には下位魔神が潜入していた。デーモンの正体を暴き、襲撃を撃退する。首尾良く《叡智の箱》の防衛に成功し、サフランは故郷の指導層に許可を得た上で、星雪が降った日を境として封印が解かれている兆しを見せる箱の解読に取り組む。



箱の中身は魔法文明語の暗号で表記されており、優れた学者セージでもあるサフランであれば解読可能であったが、どうにも要素が足りない。どうやら、この暗号の正体を完全に理解するためには対となるもう一つの箱が必要であった。一行はその情報を求めて、ユーシズ公主・”東の魔女”ヴァンデルケン=マグヌス大公の元を訪問する。


ヴァンデルケン大公は、”終末の巨人”を倒した英雄たる”星月巡り”一行の訪問を歓迎した。タビットに伝わる二つの箱は、聖戦士のひとり”賢者”オーブレイが同じタビットの子孫のために用意したと思われること、もうひとつの箱はユーシズ周辺に住む別のタビットの部族が受け継いでいたが、没落した彼らはブルライト地方最悪のスラム地区である”魔動死骸区”にいるという情報を提供した。



また、ヴァンデルケン大公は世界中に降り出した「星雪」に秘められた効果にも言及した。

どうやらこの雪には魔法の源であるマナの流れを阻害する機能があるようで、世界中で魔法が使用し辛くなっている現象が報告されている。

これによって、各国の一般的な入国審査の役割を果たす「人族と蛮族を区別する魔法サーチ・バルバロス」の使用に制限がかかっており、混乱が起こっているようであった。



確かに、サフランの故郷の村で魔神と戦った時、他の仲間の魔法が良く失敗しているのをサフランは目にしていた。だが、魔法行使の失敗1ゾロは元々稀に起こるものであったし、自身にはその影響を感じていなかったサフランは、この感覚を話すべきかどうか迷っていた。



ヴァンデルケン大公の謁見のあと、公邸でランドールの”勇者王”エルヴィン=クドリチュカと再会した。

彼は、”自由なる風”レヴィン=プラデッシュや、ヴァンデルケン大公から”魔神王を倒せるのは始まりの剣のみ”、”ルミエルは既に失われている”、”最後のはじまりの剣イグニスを奪おうとして《大破局》が起こった”といった、世界が埋もれさせた真実を聞かされていた。


彼はその上で

「人間を守護する主神ライフォスと、人族を守護するはじまりの剣ルミエルの復活」

を掲げて世界中の協力者を募ると宣言した。


========

「例の聖戦士の末裔も、協力してもらうためにヴァイス王に話を通して引き取ったよ」

「もう少しブルライト地方を回ったあと、ウルシラ、ドーデンでも同様の呼びかけをするつもりだ」

「ん、自分の国のために人材の拡充をしてるだけじゃないかって?もちろん、そういった下心はあるさ。当然だろ」

「だがな、本当に人を守護していたルミエルが既になく、いずれ復活する魔神王が蛮族の持つイグニスでしか倒せないというのなら、人間は、何を頼りに生きていけばいいというんだ?」

はじまりの剣を持つ魔神王を倒せる蛮族に従い這いつくばって生きろと、蛮族に与する者や心の弱い人間は言うのかもしれないが、俺は御免だ」

「平和ってのは、簡単には手に入らないもんさ。お前たちだって、ハーヴェスでそれを見てきたはずだ。絶望は人を狂わせる」

「異なる人族同士が手を取り合い、希望を持って生きるには、何か旗印たる目的が必要だと俺は思っている」

「たとえルミエルが二度と復活しないものであったとしても、な」

「お前たちも、俺に協力するというのなら、いつでも歓迎するぜ」

―”勇者王”エルヴィン=クドリチュカ

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魔動死骸区は、巨兵コロッサスの残骸を利用して造られた、国家権力も及ばないスラム街。箱を伝えるタビットのコミュニティが存在することは突き止めたものの、彼らは星雪の出現と共に姿を消しており、その足取りを追うことは困難であった。


捜索が行き詰まった”星月巡り”の前に現れたのは、魔王の尖兵として幾度か戦った因縁の相手である、”魔界剣士”シモン=ヴァレリーであった。彼は裏社会に通じており、その人脈とコネクションを生かせば姿を消したタビットコミュニティのボス、”片髭の”ムジークから箱を奪うことが可能だという。代償として要求されたのは、ハーヴェスの騎士団長シンから譲り受けた聖戦士の神器のひとつ”蒼玉の剣グレイプニル”であった。


========

「”魔王の巫女”の不安定さが最近酷くなってきてね…」

「彼女はもともと、神々の一柱を降臨させる依り代として用意されていた器だった」

「だが、お前たちの仲間のエルフマリアが、儀式の途中で邪魔をして術式が失敗して以来、後遺症に悩まされている」

「大方、姉の変質を恐れたのだろうが…馬鹿なことをしてくれたものだ」

「分離する精神を安定させる効果がある、聖戦士の神器が必要なのさ」

「これはビジネスとしての取引だ。箱は間違いなく引き渡そう。ま、一時的にでも手を組むのが嫌なら、大人しく消えることにするさ」

―”魔界剣士”シモン=ヴァレリー

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“星月巡り”一行はこの申し出を慎重に吟味したが、議論の末この提案を受けることにした。裏切らないよう、神官のルーヴが《クエスト》の魔法をシモンに使用することに同意してもらい、さらに手渡すグレイプニルにはサフランが《アポート》の魔法で取り戻せるよう、魔法の印を書くことにする。



しかし、シモンも如才ない男であった。



ルーヴが《クエスト》の魔法を使用するためにシモンに単独で近付いたとき、シモンはルーヴを言いくるめると、彼女の持つ”希望の杖”コルヴァーナを偽物とすり替え、ルーヴはそれに気付くことが出来なかった。さらに、グレイプニルに印された召喚用アポートの魔法印にも気付き、削除されてしまう。



とはいえ、シモンの活動そのものは首尾よく進み、彼は魔動死骸区の裏コミュニティに潜入し、”片髭の”ムジークから《真理の箱》の奪取に成功すると、それを聖戦士の神器2つと引き換えに”星月巡り”一行の許に届け、姿を消した。


2つの箱を揃えたサフランは、今度こそ暗号の解読に成功。

そこには、”賢者”オーブレイの真意と星雪の秘密が記されていた。



この世界の奈落と魔神は、人族と蛮族が使用する魔法が原因として生み出されている。

これは、はじまりの剣の意思であり、世界のルールだ。

何故ならはじまりの剣の原初の意思とは「自分を使って欲しい」という欲求だからだ。


最初に生み出した人族と蛮族が争いを止めようとしたとき、はじまりの剣は魔法によって魔神を生み出す法則を創り出した。魔法による世界の歪みが数千年分蓄積すると魔神王が復活し、それははじまりの剣でしか倒せない。


人族も、蛮族も、神々も、魔神も、全てをはじまりの剣が生み出してきた。


だが、この世界の法則の外にある者たちがいると、オーブレイは確信していた。


それは、タビットとグラスランナーである。


この2つの種族は、この地上に存在するどの神にも似せて創られておらず、神の声を聞くことが出来ず、それでいてマナの扱いに対して極端な特性を持っている。


タビットとグラスランナーは、「この次元の外から来たもの」であり、オーブレイは多くの理論と実験から、これを確証として扱った。


そして、魔法そのものをほぼ扱えないグラスランナーはともかく、使ことを突き止めた。


そこで、魔神王と戦う傍らで世界中を巻き込んだ儀式魔術の準備を”聖女”ハルーラと共に進めていった。


世界中に「タビットが使用する以外の」魔法の使用を阻害する星雪を降らせる。


オーブレイは膨大な知識と理論から算出した。この世界から魔法が完全に失われれば、500年程度でこの世界の歪みは全て浄化され、奈落と魔神は消滅する計算結果を。


星雪によって魔法が失われた世界では、肉体的に優れる蛮族が人族を虐げることが予想される。だが、タビットはこの世界の法則から逃れることが出来る。


オーブレイは、自分と同じタビットが魔法を独占し、正しく扱うことで世界を導くことを期待していた。自身が使用していた聖戦士の武器、真理の杖ル=ニィダには自身の知識と理論が封じられているので、これを所有できた場合は助けになるだろうとも。


箱の解読を終えたところで、”星月巡り”一行を一時離れて思案に暮れるサフランの元に、彼らの居場所を突き止めた”片髭の”ムジークがやってきた。


彼は主張する。箱を自分に返せと。


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「俺たちは……タビットは、虐げられてきたんだ!リカントなんかより、よほど!」

「魔法しか能のない愚図だと陰口を叩かれ、罠の多い迷宮では先頭を歩かされ、明らかにこの世界の誰とも異質な風貌を揶揄されてこなかったか!」

「この星雪はタビットの英雄、オーブレイが与えてくれた千載一遇の好機だ。箱の真実を隠蔽し、真実を秘匿すれば、この世界の魔法はタビットだけのものになる」

「タビットの地位は向上し、いずれ奈落と魔神は消滅し、世界は平和になる!」

「それをお前は、タビットでありながら邪魔するのか!」

―”片髭の”ムジーク

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サフランは、熟考の末、答えた。


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「私たちは、色んなところを旅してきた。色んなことがあったんだ」

「人は、大きな力を怖れ、それを征するためのより大きな力を求めてきた」

「いい人も、悪い人も、たくさんいた。世界の人々のほとんどは、賢くもなく、善良でもない、でも愛すべき人たちだよ」

「わずかな凄い人が、たとえば聖戦士のような特別な力を持っていても、いつも正しい方向に物事はうまく行くわけじゃない」

「どれだけ正しいことでも、みんなが正しいと思っていることでも、争いは起きるんだ」

「私たちも、それを止められなかった。決して殺してはいけない人を、助けたい人を助けるために殺してしまった」


「それにね、もしオーブレイの言う通りの世界になったとして」

「タビットは特別な種族にはなれないと思うんだ」

「きっと、タビットだけが魔法を扱えるということに、他の人たちは恐怖する」

「争いになって、タビットはみんな殺されてしまうかもしれない」

「タビットが他の人族と戦うことになるなんて、私は嫌だよ」


「私はこれまで、”星月巡り”の仲間のみんなと、助け合ってきたよ。みんな異種族なのに」

「みんな得意なことがあって、苦手なことがあって」

「どの種族が一番偉いなんてことは、ないんだ。もしそんな世界があったら、私は嫌だ」


「オーブレイは、賢者の名に相応しい、すごいタビットだ。世界から魔神がいなくなるなんて、考えもしなかった」

「この箱を残したのもオーブレイ。感謝してる。この箱の中身を知るために、いっぱい勉強したし、力をつけてきた」

「そうして身に着けたこの魔法の力と知識を、みんなのために役立てたい」

「だから私は、この星雪を止めようと思う。タビットが、皆と幸せになるために」

―サフランによる、ムジークへの説得を要約

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説得に応じないムジークを退け、”星月巡り”一行はハーヴェス近郊に浮かぶ空中遺跡サンドキアに向かう。箱の解読結果から、この星雪を調整するための装置がここにある。


迷宮のような遺跡を突破すると、最後のガーディアンとして配置されていたのは、巨大な竜型の魔動機であった。


========

「強敵だが、今の俺たちならやれるはずだ…俺が前線を支える。ルーヴは支援、ライエルは遊撃。サフランが攻撃の主軸だ。空中に来た分、星雪の影響が薄いが、それでも魔法の使用は慎重にな」

「果たして俺たちは正しいのか…いや、愚問だ。イオ、お前ならきっとここに来たはずだ…」

「仲間を守るは我らが信念。汝は”守護の斧スワンチカ”。世界に、安寧を齎すものなり」

「……突入だ。遅れるな!」

―ドラコ=マーティン



「巨大な竜。私一人じゃすぐ焼きタビットになっちゃうよね」

「でも、仲間がいるから、戦えるんだ」

「疾き風よ、白銀の刃を乗せ舞い踊れ」

「……《凍える吹雪ブリザード》!」

―サフラン

==========



===ボス戦闘====


ドラゴンフォートレス


==========



“星月巡り”一行はガーディアンを撃破すると、最奥にある魔法装置を操作し、星雪を停止させた。しかし、どうやらこれは各地方ごとに据えられた調整弁のようであった。

世界各地にある同様の装置を全て止めるには時間がかかりすぎるし、ムジークのような知識のある者がここを訪れて魔法装置を再起動させることで、再び星雪は降る。


星雪を完全に止めるための大元の魔法装置は、空中都市タージにあることが箱の記述でわかった。


もう一度、タージに戻る。”星月巡り”一行は決意した。


しかし、タージに届きうる管理者イオは、既にいない。


その決意は、”最後の聖戦士”と決着をつけることを意味していた……



次回へ続く。




【今回の登場人物】

セッション参加キャラクター

サフラン(ソーサラー11)

ドラコ=マーティン(コンジャラー11)

ライエル=クラージュ(ファイター11)

ルーヴ=デルタ=ヴォランティス(プリースト11)




"勇者王"エルヴィン=クドリチュカ (※公式NPC)

種族:人間 性別:男性 年齢:45歳


第三部第1話「楽園の東より」以来の登場。

ランドール地方にある、まだ名前のない国の王。《大破局》を終結させ、タージと終末の巨人を封印した勇者と同姓同名であるが、特に関連はなく、かつて世界を救った勇者の威光を僅かでも利用するために名乗っている。

「失われた、人族を守護するはじまりの剣ルミエルを復活させる」と表明し、各地方の大国を含めた協力者を募っている。これは自らの王国の人材登用・国力強化という目的が透けて見えているが、一方で「平和は簡単には手に入らない。人が協力し、団結するには希望と目的が必要だ」としており、ルミエル復活の実現の可能性は問題とせず、目的のために異なる国の人間同士が協力し合う状態を構築することこそが真の狙いとしている。



“片髭の”ムジーク 

種族:タビット 性別:男性 年齢:26歳


犯罪と腐臭が跋扈する魔動死骸区において、タビットのコミュニティをまとめるボス的存在。表向きは道具屋の店主。本来は、世界の真実を伝える箱を預かる由緒正しい一族であったが、《大破局》とそれに伴う混乱の中で没落し、心身をスラム街で汚しながら、虐げられつつも生き残ってきた。

不完全ながらも箱の解読によって「光る雪は魔法の使用を阻害する」「タビットはその制限から逃れられる」ことを突き止めており、社会から身を隠すことでその事実を秘匿し、いずれ虐げられてきた自分たちが特権階級として魔法を独占する社会を夢見ていた。

しかし、”魔界剣士”シモンによって箱を奪われてしまい、その意を質しに”星月巡り”一行を詰問して箱を取り戻そうとするも、彼自身に力づくで奪えるほどの戦闘能力はなく、様々な経験から星雪とそれがもたらす世界を是としない冒険者たちを止めることは出来なかった。



“魔界剣士”シモン=ヴァレリー 

種族:エルフ 性別:男性 年齢:103歳


第二部第4話「出来損ないの英雄」以来の登場。

数十年前にテラスティア大陸からアルフレイム大陸に移民として渡ってきたエルフの魔法剣士。”星月巡り”の仲間であったフィール=ニルヴァレンの元・許嫁。

この世界が「自分を使って欲しい」という原初の要求を持つはじまりの剣の意思によって、人族と蛮族による終わりなき戦いの世界であることを知り、その輪廻から逃れ、選民として生きるために魔王に力を貸している異端の人物。

星雪によって魔法が失われると魔神が存在出来なくなることは彼らに取って都合が悪いようで、”星月巡り”と利害が一致したとして、”片髭のムジーク”から叡智の箱を奪取することに協力を申し出る。その際の代償として"蒼玉の剣"グレイプニルを要求し、さらに隙をついて"希望の杖"コルヴァーナを偽物にすり替えて持ち去っていった。これは"魔王の巫女"ヘラ=エイヴァリーのために利用するつもりのようだ。


【設定のまとめ】


◎このキャンペーン内における、世界の法則について


・ルミエル、イグニス、カルディアの3本の始まりの剣が、世界と神々を生み出した。

・3本の剣の原初の意思と欲求は、「自分が使われること」

・ルミエルが人族を、イグニスが蛮族を生み出し、剣を使用させるために争い合わせた

・剣から生み出されたライフォスとダルクレムは和解しようとしたが、3本の剣は魔神を生み出して、自分を使ってもらうための新たな存在を生み出した。

・カルディアから生み出された神々は魔神王を打倒し、カルディアは砕けた。その破片はマナとなり、世界に魔法が解放される。

・魔法の使用は世界に歪みを生み出し、それを浄化する反動として奈落と魔神が発生する。

・歪みが数千年分蓄積されると、魔神王は復活する

・魔神王ははじまりの剣でしか倒せない。400年以上前に一度復活し、ライフォスがルミエルを手に取り打倒した。

・はじまりの剣は魔神王を倒すと失われる。はじまりの剣はこの世界にあと1本しかない。最後のはじまりの剣イグニスは、蛮族王ムーレイズが所有している。

・人族と蛮族が魔法を一切使用しなければ、奈落と魔神は500年程度で消滅すると思われるが、現実的には不可能である。

・タビットとグラスランナーは「次元の外から来た存在」であり、上記の制限を受けない。


◎聖戦士の武器について


ルミエルを除いた11の武器は、主に降臨した神々の神格とベースになった人族の人格のずれによる精神的苦しみを緩和させるために作り出された。もともと人族であった4名にとっては、只の強力な武器。だが”真理の杖ル=ニィダには、他の神器の継承者を支配する特性を持つ。レヴィン=プラデッシュによって、”星月巡り”一行が持つものに関しては対策が施されている。


以下、武器名と魔神王戦時の使用者、キャンペーン内における所持者の変遷などを記す。


始祖の剣ルミエル(勇者ライフォス)

所在不明。魔神王との戦いで失われたとされている。エルヴィンが復活を目指すと宣言している。


真理の杖ル=ニィダ(賢者オーブレイ)

所在不明。オーブレイの力と知識が封印されているとされる。他の継承者をコントロール可能とされている。


紅灼の拳オヴェロン(炎使いグレンダール)

ハドルカ=ガドガリス⇒バル=カソス


蒼玉の剣グレイプニル(水使いアステリア)

シン=シャイターン⇒星月巡り一行⇒シモン=ヴァレリー


翠星の弓キルキナエ(弓使いダリオン)

レイソル=ロザス⇒パルフェタ=ムール


曙光の槌クラウストルム(白騎士ティダン)

クリスティーナ=コーサル


闇夜の棍アイムール(黒騎士シーン)

所在不明


天空の槍グングニル(竜騎士ノヴァ)

カルフ⇒トゥーマ=ゼイル⇒オリヴィエ


聖心の剣ティルフィング(剣聖クラウゼ)

ヴィオラ=カルティ


神滅の銃ラグナレク(魔動機師オルエン)

オルエン=ルーチェ


守護の斧スワンチカ(聖騎士イーヴ)

イオーレ=ナゼル⇒ドラコ=マーティン


希望の杖コルヴァーナ(聖女ハルーラ)

オルエン=ルーチェ⇒ルーヴ=デルタ=ヴォランティス⇒ヘラ=エイヴァリー




【次回予告】


この世界は、誰の為のものなのか。


人にとって都合の悪い世界で、人を守ろうとして足掻くことが


正しくないとしても、誰がそれを否定できるだろうか。


世界を睥睨する恐怖の遺産と、それを巡る思惑の中で


世界の敵となった魔女は、黄昏の世界を想う。


ゼロかイチかの二元論で世界を治められるなら


そもそも争いなど起こらぬと…


ソード・ワールドRPG最終部第2話「黄昏は呼んでいるか」











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