第一部
第一部第1話「聖戦士の詩」
物語はハーヴェス王国から始まる。
種族も、生まれもバラバラな冒険者グループ”星月巡り"は、様々なきっかけから、割合大所帯と表現してもいいチームを組み、各々の都合の良いタイミングで依頼達成に協力し合う仲であった。
ある日のこと。
ハーヴェス王国でもトップクラスの冒険者グループが、王国南の山岳地帯に発生した巨大な”奈落の魔域”を解放したことが噂になっていた。
そのような中、マギテック協会が冒険者の店を通じ、遺跡調査の依頼を出してきた。
話によれば、彼らが噂の奈落の魔域から脱出するとき、一緒に魔動機文明時代の遺跡のようなものが排出されたとのこと。
“疾風の巨人”デューイ=ナハトをリーダーとするそのグループは遺跡の入口付近のみを調査したものの、どうやら中身は魔動機文明時代の裕福な一般人が利用していたシェルターのようだ。
デューイ達はさほどの危険がないことを確認すると、その処遇を自らが所属する冒険者の店に委託したという経緯であった。
“星月巡り”一行は、メンバーの中から数人のチームを組んで遺跡の調査を開始。
幾つかの罠やガーディアンはあったものの、駆け出しに毛が生えた程度の彼らでも突破出来るものであった。
300年前に滅びた魔動機文明時代の手付かずの遺跡とはいえ、内部の造りは事前情報通り一般人の緊急避難用のシェルターであり、少々の財宝があるだけで、そう目新しいものがあるわけではなかった。
強いて言えば、最奥部の魔動機整備スペースで少々強いガーディアンが守っていた宝箱に、謎の碑文を記したメモリーコードが発見された程度であった。
===ボス戦闘===
ブルドルン
ザーレィ*2
===========
“星月巡り”一行は帰還後、メモリーコードをマギテック協会に提出。
そこに書かれていたのは、魔動機文明時代よりさらに数千年前の、神紀文明の戦いを記したように見える記録であった。
しかし、碑文にはあまりにも不自然な点が多く、何らかの架空の物語であろうという結論となった。
彼らは知らない。この些細なきっかけこそ、大いなる冒険の端緒であったことを…
【今回の登場人物】
セッション参加キャラクター
ドラコ=マーティン(コンジャラー3)
バル=カソス(グラップラー3)
サフラン(ソーサラー3)
【今後も出てくる設定】
「聖戦士の碑文」
300年前に《大破局》によって滅びた魔動機文明の、ほぼ手付かずの遺跡から発見された記録。
以下全文。
古の時代、闇と魔がこの世界に溢れしころ
タージの砦に集いし12柱の聖戦士に世界の意思が下る
12の神器に彩られし光は、闇を包み込み
失われし第一の剣ルミエルと、神々の死を代償にこの世界を在り遺した
ここにその軌跡を称え12の聖戦士を記す
勇者ライフォス
賢者オーブレイ
炎使いグレンダール
水使いアステリア
弓使いダリオン
白騎士ティダン
黒騎士シーン
竜騎士ノヴァ
剣聖クラウゼ
魔動機師オルエン
聖騎士イーヴ
聖女ハルーラ
全文ここまで。
ライフォス、グレンダール、アステリア、ダリオン、ティダン、シーン、イーヴ、ハルーラ。
これらは全て、アルフレイム大陸で信仰されている神々の名前である。
今から数千年前の神紀文明において、人族を守護する主神ライフォスは、蛮族を守護する戦神ダルクレムと争った伝説があり、これはその戦いを描いた詩文と当初は思われたが、幾つかの不審な点が存在する。
・神紀文明崩壊のきっかけとなったライフォスとダルクレムの争いの折、砕けたはじまりの剣は第一の剣ルミエルではなく第三の剣カルディアのはずである。第三の剣カルディアが砕けたことで、世界にマナが溢れこの世界に魔法が生み出されたと信じられている。
・12名の聖戦士と呼ばれる者のうち4名(賢者オーブレイ、竜騎士ノヴァ、剣聖クラウゼ、魔導機師オルエン)は神々の名を冠していない。彼らは何者なのか。
・
【次回予告】
古の記憶を継ぐ旧き集落に、蛮族襲来の報が入る。
かつてなき侵略に隠された意図。過去に縛られ破滅への道を歩む人々。
そこで明らかになるは、人の脆弱さと、か細き希望。
遺された神々の軌跡を巡り、伝説は動き始めた!
ソード・ワールドRPG第一部第2話「緋色の魔の手」
冒険者たちよ、剣の加護は汝と共に。
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