序章

 いつも通りの日々、いつも通りの毎日。それはやっと落ち着いた証拠だ。昔とは全然違うけど、今では大切なもの。未離はそう思いながら現世を散歩していた。それまでは虚無の女神をめぐっての対立があり、現世を歩いたことはあの事件以来だった。だからこそ未離はとても幸せだ。




 「あの時以来だな。」

そうこの地に立つと、今でもあの疑問がわいてくる。ミナは廃れた教会にいた。ここは自分の全て…いや、姉の全てまでもを変えてしまった。今でも思い返すと虫唾が走る。ここは俺たちにとって終焉の地…そして未知なる運命が始まった場所だ。




 自室で瞑想をしていたミロクは悟ったようにつぶやく。

「うむ、そうか。さぁ、お前は自らの罪をどう償う?お前には意志の強さはある。しかし、それでも犠牲になってしまうものもある。神を否定するか…仏道を否定した我には言えぬがそれはとても愚かなことだ。見させてもらうぞ、神を否定し神となったものと理に逆らい悪魔となった兄妹の最悪の再会を。」

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