禁煙?   一話完結

男は煙草がやめられなかった。色々と禁煙方も試してみたが無駄だった。


男は酒、煙草、女の時代に青春を送っており最近の健康志向、特にヴィーガンやあの手の人間が大嫌いであった。


人工知能がどうとかYouTubeすらも大嫌いだった。


最近の若い奴らが理解できなかった。

社会では男のような老人は邪魔者扱いであった。


男はTVのニュースでタイムマシンが出来るかも知れないというのを聞き憤怒した。


バカな事を言いやがって!そんなものをニュースにしやがって。


男は腕の義手に油を注して、ウィスキーを一気に煽った。雨の日は義手も義足もとても痛む。


メーカーのメンテナンスも病院の検診も長らく受けておらず、時間のままに乱暴に扱った。


市の福祉担当者は義体を最新の物に変えてはどうかと、しつこく言ってきたが男は拒否していた。


男は古い義体に愛着を持っていたし、新しいビッグデータに繋がった義体は気に入らなかったし本音では恐ろしかった。


男は最新の義手や義足の快適さよりも、古い義体と酒と煙草を愛した。


男はTVのブラウン管を見つめながら煙草を吸い酒に酔っていた。

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