THE BEDROOM
氷川奨悟
第1話 花火
早川脩一はランジェリー姿の秋山砂織をじっと見つめ、その艶やかな唇にそっとキスをした。
脩一はこのままベッドに倒れ込もうとしたが、砂織に
「電気、、消して」
と言われると、電気を消すや否や砂織に跨りさっきまでのキスを再開した。
ラブホテルでのキスは、ふたりの時間を止めた。
最初は、お互いがただの友人。それ以上でもそれ以下でもなかった。
砂織においては、既に付き合っている相手がいた。
特に、相手に不満がある訳ではない。
むしろ、脩一に比べて誠実で、優しくて、そして、収入が最低でもその倍はあるような恋愛の教科書に載ったような男だった。
では何故、脩一とこうしてキスをしているのか。それは、本人すら分かり得なかった。
ただ、彼女の本能が脩一を求めていた。
脩一がまるで主人からの愛を乞う飼い犬のように砂織の柔らかい耳たぶを甘噛みした。
砂織の息が漏れた。
脩一はそのまま下がり、砂織の首元にキスをした。
またしても砂織は息を漏らし、無意識に身体を火照らした。
脩一が
「本当にいいんだね?」
と訊くと、砂織が無言で頷いた。
脩一は、砂織のランジェリーをゆっくりと剥がすと嫋やかな砂織のそれが露わになった。
砂織に実ったそれについているヘタは茶色く光っている。
砂織はまだ乙女なのである。
脩一がそのヘタを舐めると、次第にそれは規則正しく上に向き始めた。
そのほろ苦い味わいと真夏の夜が、よりふたりを熱くさせた。
脩一は再び砂織にキスをすると、今度は砂織の陰部を舐め始めた。
「そこは、、だめ、、、。」
砂織の声を無視して、脩一は舐め続けた。
そして、脩一が伸ばした長い指を砂織の陰部が受け止めた。
「だめ、、、だって、、、」
やがて、砂織からは愛液が脩一の指を濡らし始めた。
脩一は、砂織の耳元に近づき、
「挿れるよ?」
と囁くと、パンツを脱ぎ捨て、図太くて長い絵筆を露わにさせた。
そして、脩一は砂織という真っ白なキャンバスにゆっくりと描き始めた。
砂織は言葉にならない声で喘いだ。
脩一の絵筆は、何度も何度も点描を重ね、真っ白なキャンバスは瞬く間に脩一という色に染め上げられていった。
その刹那、真夏の夜に花火が上がった。
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