『小さなお話し』 その104

やましん(テンパー)

第1話 『なめくじろさん』

 最初の辺りは、実話です。


          🐌


 あるばん、やましんが、お風呂に入りましたときの、おはなし。


 小さななめくじさんが、壁に張りついていました。


 よのなか、どうでも良い気分のやましんは、無視したのです。


 それから、一週間、なめくじさんは姿をみせませんでした。


 しかし、またまた、ある日、かなりでっかくなって、あらわれたのです。


 やましんは、珍しく、お風呂用目がねをかけていたのです。


 つまり、周囲が見えていたのである❗ 


 やましんは、石鹸か、入浴剤のから袋を使って、なめくじさんをのっけて、まどから、ぽい、しました。


 床をみると、さらに、小さななめくじさんが、いるではないですか。


 よく、踏まなかったものです。


 同じ手を使おうとしたけれど、なんと、丸まって、いやいやするし、はしっこに逃げて上手く載らないのです。


 業を煮やしたやましんは、ざ〰️〰️〰️〰️っと、排水口から、流してしまったのです。


 その様子を、さきに、ぽい、された、なめくじさんが、じっと、眺めていたのでした。



・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ここからは、フィクションです。




 よくじつ、ねこママのカフェに行きました。


 すると、見慣れない、帽子を被った、細長い、にゅルにゅるな、なにかが、カウンターに、座っていたのです。


『あっ、やましんさん。お待ちしてました。ぼく、なめくじろです。』


『あぎゃ。もしかして、あの。』


『はい〰️〰️〰️。あなたに、ぽいされたなめくじろですなめ。その節は、お世話になりました。なめ。』


『いえ、お世話には、してないですが………』


『いえいえ、普通の人間なら、ぽいはしません。命がないところです。』


『あそ〰️〰️〰️。すいません。』


『なんの。なめ。』


『これから、旅に出るんだって。』


 ねこママが言うのです。

 

『あなたに、排水口に流されたのは、ぼくの、フィアンセです。なめ。なに、あのくらいで、死んだりはしませんよ。なめ。でも、どうやら、外に流されたらしいんです。これから、探しに行きます。なめ。』


『それは、たいへんな。いま、雨が降って、増水してますよ。』


『なに、なめくじと生まれたからには、これも、宿命です。やましんさんは、気にするに及びません。やましんさんちのお風呂は、たいへん、高級なマンションなんですよ。これからも、よろしくお願いいたします。さあ、行かなくては。いざ。』


 なめくじろは、すさっと、立ち上がり、マントをひるがえして、どこかに、去ってゆきました。


『はあ、やましんが知らない、生き物の世界があるか。』


『まね。一杯、いきなさい。しんぴんだにゃんこ。』


 ママは、牛乳パックを開けました。


 よく、冷えています。

 

『あ。なめくじろさんのお代も、やましん持ちにゃんこ。大家のつとめにゃんこ。』


『あ、そ、ですか。それ、うちの冷蔵庫にあった、牛乳?』


『にゃんこ。』




         🐈  おしまい




 

 




 


 






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


          🐌  ↘️


 



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