転結
金曜日帰宅後着替えて日用品買いに出かけた。冷凍庫の隣で、プレーンジェーンを見た。彼女の側に棚の最上層の商品を取ってあげてる男がいる。噂の彼か。
「やあ、ヴァイオレット。」俺は彼女に挨拶した。
プレーンジェーンことヴァイオレットが振り向いて、困惑そうな顔で俺を見た。
「どうした?ベイベー。」OLD NAVY一式を着た彼も寄ってきた。
なかなかいい男じゃないか。服装センスもいいし。どこかで見たような顔だし。
いや待てよ。
俺と瓜二つじゃないか!
いや、俺よりいいかも…眼鏡はかけてないので、キラキラした目が目立ってる。程よく日焼けした肌、俺が日焼けサロン通ってもあんな色にはなれない。フサフサの茶髪、薄くなりつつの俺とはかなり違う。
悪魔のイタズラか!
俺が彼をジロジロ見てたからか、ヴァイオレットの困惑は嫌悪に変わった。
「彼氏さんですか?」俺が彼女に聞いた。
「あんたとは関係ないでしょう。ていうか誰よ。」ヴァイオレットはこう答えた。
「誰って、知ってるくせに。そしてよくもこんなに俺に似てる人を見つけたな。」
今ヴァイオレットの顔は、困惑と嫌悪に、怒りも帯びた複雑な表情になった。
「あんたなんて知らないわよ。そして全然似てないわ。」
「何言ってんだ。俺だよ、チャール…」手の裏を返すように急に知らん振りをされて、慌てて俺は彼女に近づいた。
「下がれ。」彼が彼女の前に立って、俺を押し倒した。俺の眼鏡も床に落ちた。
「妙なマネしたら後悔するぞ!」
声まで俺と一緒じゃないか。気が変になりそうだ。
「チャーリー、もういいよ。」ヴァイオレットは男の腕を掴んで、こう言った。
「相手する必要はないわ。」
チャーリーだと?名前まで一緒?マジか?
「お前の言う通りにするよ。」チャーリーが微笑んで彼女の肩を抱いた。
彼らは去った。店の顧客がさんざんした俺を見ている。俺は眼鏡を拾ってかけ直した。冷凍庫のドアの反射で眼鏡が壊れていないかを確認したら…
誰これは?
これは、俺の顔じゃない。
Plain Jane NTKYM @saologist
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