50過ぎ。だからヌルく急ぐ。

第27話 そんな『ひろし』に騙されたい

え？　『ひろし』って誰ですか、って？

『ひろし』と聞いて、私が一番最初に思い浮かべるのは、野原ひろしですね(『クレヨンしんちゃん』の主人公・野原しんのすけの父)。

でも、今回は彼ではありません。

で、その次に浮かぶひとは、舘ひろしさん、かな。

残念ながら、舘さんじゃあないんです。

もちろん、カタカナのお笑い芸人さんでもありません。

で、オットでも息子たちでも弟たちでもありません。

「ふりかけ」です。

これだけでお分かりになる方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんが。

大半の方は？　だと思いますので、ここで少し説明をば。

少し前、私の作品の中でちょっとした言葉遊びに気がつかれた方とコメントでやり取りをしました。

『ゆかり』について、です。

『ゆかり』をご存知の方は多いことと思います。

あの赤紫色をした「ふりかけ」のことです。

『ゆかり』は赤じそを使ったシンプルなふりかけで、広島の会社が作っています。

この『ゆかり』、実は三姉妹なんですね。

あとの２人は『かおり』と『あかり』。

『かおり』は青じそを使ったふりかけで、『あかり』はまだらこを唐辛子などでピリ辛味に仕上げたふりかけです。

並べてみると本当に三姉妹感が溢れていて楽しいのです。

で、先日、調べ物をしていたら、いきなり目に飛び込んできたのが『ひろし』。

なんだかぴーんときたので、すぐにそちらに目を転じると、やはり。

こういう時の勘って当たるんですよねえ、不思議と。

大当たりでした。『ひろし』。

ふりかけ三姉妹のご家族のようです。

この三姉妹の何に当たるのか。彼の位置づけはちょっと分からないんですが。

広島の会社だけに、広島菜を使った「混ぜごはんの素」なのだそうです。

三姉妹の色が赤紫の『ゆかり』、オレンジの『あかり』、緑の『かおり』に対して、

『ひろし』は若草色というか黄緑というか。

ぱっと目につく明るい色です。

そのままの勢いでこの会社のホームページを覗きに行ったら、

あら、面白いお遊びが♪

パッケージに自分の名前を入れて、色を選べば、オリジナルふりかけの出来上がり。

もちろんスマホの上だけのお遊びですが、結構、可愛いかったので、ご紹介まで。

https://www.mishima.co.jp/sisters/top.php

で、『ひろし』に連れられて遊んでしまった私は、一昨日は上の弟に騙されました。

弟たちは２人とも競馬好きで週末は仲良く電話投票で馬券を買うのですが、金曜の夜に、上の弟からLINEが入ったのです。

「ねえ、あなたの息子たち２人が同じレースに出走するよ？」と。

彼らはもちろん、きちんとしたデータなどを元に、自分なりの予想を立てて馬券を買っています。が、時にバカバカしいケントク買いもするのです。

ケントク買いとは、自分の誕生日の数字や語呂合わせなどを元にして馬券を買うことを言います。

今回、たしかに２人の息子たちの名前が入った馬が２頭、同じレースの出走表に掲載されていました。

全く、よくこんなバカバカしいことに気付くものだと笑って「こりゃ面白いね、ありがとう」と返信したのですが。

知ってしまうと、やはり気になる、知らん顔できなくなっちゃうんです。

で、仕方ない、買いました。馬券。

実際問題、弟が言い出したこういうケントク馬券って、ろくに当たった試しがないんです。

例えば私の誕生日に、日にちや年齢を織り交ぜたりして買ってくれたりもするんですが、まあこれが見事なほど当たらない。笑っちゃうくらいです。あんまりハズレてばかりだから、『恒例のハズレ馬券』ですが、と本人たちが自嘲気味に言いながら贈ってくれる始末。

だからもうハナからあたる気がしないんだけれど、でも、息子たちの名前とくれば、応援せざるを得ない。しかも、どちらかだけと言うわけにもいかない。親として、えこひいきはできませんから。

という訳で、それぞれの馬の複勝と、その２頭が入った枠連を１点、買ってもらいました。土曜の朝、下の弟に電話して。

「あのひと、あなたのところまでわざわざ電話してきたの？」

と呆れて笑いながら言うので、

「ん。LINEだけどね」

と答えましたが、何のことはない、上の弟は下の弟にもそんなバカ話を金曜の夜にわざわざ電話してくっちゃべってたワケです。ほんとバカだな。

結論。

はい。ハズレました。今回も。

そりゃ、見事に。

別件で土曜の夜、再び下の弟に電話したのですが、

「『なまじ教えたもんだからまたハズレ馬券買わせちゃった』って反省してたよ」

と苦笑交じりに教えてくれました。

「ほんとだよ。でも、まあ、厄除けだと思っておくよ」

とこちらも苦笑いで返しておきました。

本音を言えば、馬券でも、騙されたくはないんですけどね。

今回の２頭はどちらも無印だったので、きたら配当、大きかったはずなんですけどね。

当たったら何か美味しいのが食べられるかな？　なんて、ちらとも思わなかったんですけれどね。

やっぱり、ハズレること前提でいるから当たらないのかなあ。

それとも、名前が悪かったのかなあ(おいおい)。

今度は息子たちの名前じゃなくて、「ひろし」で買ってみようかなあ。

どうせ騙されるなら、その方がいいかなあ。

ん、やっぱりそれはちょっと、いや、かなり違う気がするな。

正直に言いましょう。やっぱり当たり馬券が欲しいです。

それも大穴の。

欲が深いかな？

でも、たまにはそんな夢を見たっていいですよね？

ちなみに『ひろし』は２月１日発売だそうです。

って、あと、もう10分もしないうちに２月だなんて、びっくり！！

1年の12分の1が、もう終わろうとしています。

早すぎる。ああ。

それこそ騙されてる気がするのは気のせいですかね？