第31話 授業の発表へ 応用編:発表シナリオ とりあえずやってみよう

  自己紹介をしている間に、「対象」と「文字と式」が終わり「分数のかけ算」に入る所だ。

この単元から発表シナリオを書き、友達の反応を受け止めながら授業をしていこうということだ。

しかも、とにかくやってみよう、それから修正していこうだから、とにかくやるしかない。

本当にできるのかなあ?と俺は思っていた。

 先生が、黒板に

『へいに緑のペンキを塗ります。

このペンキは1dlあたり□㎡塗れます。

このペンキ△dlでは、何m²ぬれるでしょうか。』

と問題を黒板に貼った。

数字の代わりの□と△があるから、このままじゃあできないじゃんと俺は思った。

すると、先生が、

「例えば、□に何を入れる?」

と聞いてきた。

えっ?どういうこと?と首をかしげていると、

「修平君なら、幾つが良いと思う?

いくつでもいいよ。」

と聞いてきた。

急に言われても…と思いつつ、

「2m²かな。」

と言った。

「1dlで2m²ぬれる。

いいですねえ。」

と言いながら、□の中に2を入れた。

石橋君を見て

「じゃあ、石橋君。

△には何を入れる?」

と聞いてきた。

石橋君も困って

「3かな?」

と言った。

先生は、

「そう。

普通、整数を入れるよね。

この時の図を描くと、こうなる。」

と言って、正方形の中に1m²と書き、その正方形が縦に2つ繋がった図を描いた。

その下に、直線を引き、正方形の左下に0,右下に1dlと書いた。

そして、にっこり笑ってみんなを見て

「この図が何を表しているか、わかる?」

と聞いてきた。

「正方形が2個ある。」

「1m²と書いてあるから、2m²だ。」

「下の線に1dlと書いてあるから、1dlで2m²ぬれるということ?」

みんなで考えながら応えていった。

先生は、

「さすが、6年生。

その通り。

下の線は、ペンキの量を表している。

上の正方形は、その時に塗れる面積を表している。」

そう言って、さっきよりもにっこり笑って、

「これはまだ途中です。

みんなの作った問題に合わせて、この図を完成させたい。

どんな図になると思う?」

と聞いてきた。

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