第28話 授業の発表へ 応用編 「間」
すると、先生が、
「発表の時、一文言い終わったら、「間」をとればいい。
そこまでの話が伝わったかどうか、聴き手の様子を話し手が観ればいい。
自己紹介の時のように。」
と言った。
「そうすれば、今のクラスなら、わからなければ、わからないと言えるんじゃない?
言えなくても、今のみんななら話し手が困った顔をしている子を見つけられるんじゃないかな?
もしかしたら、わかった聴き手が、発表者の目線で周りの子の様子を観てくれるかもしれない。
そして、〇〇さんはもう一回いてほしいんじゃないかな、等と言ってくれるかもしれない。
その子の代わりにもう一回言って等と言ってくれたら、困っている子は嬉しいだろうなあ。
聴き手から、ここの話をしてと言われたら、話し手は、こんなに楽なことはないよね。
どこからどの程度の話をしようか等と考えなくてもいいんだから。」
と言った。
へえ、「間」をとることで、そんなにも様々なことができる可能性があるんだ。
「間」って、凄いなあと俺が思っていると、先生は、
「「間」をとって、聴き手の様子が分かった。
そうしたら、話す速さや言葉、板書することなどを聴き手の様子に合わせていけばいい。
そうして、次の文が終わったら、また、「間」をとって、今の聴き手の様子を観ていけばいい。」
と言った。
みんな、そうなのかなあという顔をしていた。
それを見回しながら、先生は、
「だから、ノートに自分の解き方を書いたら、自己紹介の時の様に発表のシナリオを書くんです。」
と言った。
また、初めて聞く言葉が出てきた。
何?発表シナリオ?と俺は思った。
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