第6話 発表の目的 練習

 すると、すかさず、先生が、

「それじゃあ、一回練習してみよう。」

と言った。

何を練習するの?と思っていると、

「もう一回言って。」

と言って先生はみんなを見た。

そう、さあ、あなたの順番よという感じだ。

国語の追いかけ読みをしている時のような気になった。

「どうぞ。」

と先生は促した。

みんなは周りを見ながら

「もう一回、言って」

とたどたどしく言った。

「柔らかく、優しく言おうよ。

もう一回。」

と先生は笑顔で促した。

今度は、みんな、

「もう一回言って。」

と柔らかく言った。

「そう、その方が私の意見が聴きたいんだ。

もう一回言うねという感じになるよ。

それじゃあ、ちょっとわからないを柔らかく言おう。

はい、どうぞ。」

と言った。

今度はみんな、最初から柔らかく

「ちょっとわからない。」

と言えた。

「そう、そんな感じなら、もう一回言うのも苦じゃないと思うよ。」

と言った。

そして、

「それじゃあ、桐山さんの発表から、もう一回、授業を進めて行こうか。

桐山さん、みんなを意識して発表してみよう。」

と先生が言って再度授業が始まった。

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