第2話 発表の目的 先生からみんなへの問いかけ

 先生は、

「みんなの授業像は、『みんなで発表、みんなで解決、楽しい授業』だった。

これは、誰かが正しいことを言ったら、それを丸暗記する授業ですか?」

と俺たちの授業像を基に問いかけてきた。

みんな、言葉は出ないけど、首は横に振っている子が多かった。

俺もその一人だった。

「そう、違いますよね。」と先生は断定し、

「誰かの発表をみんなが分かるから楽しい授業になる。

そのためには、自分のわかり方をみんなに伝え、みんなと共有していくんじゃないの?」

と問いかけてきた。

俺は、そりゃそうだよなあと、思えた。

みんなもちょっと口を尖らせながらも頷いている。

その様子を観ながら「それが、みんなの授業像に近づく発表じゃないかと私は思うの。

だから、みんなも、わかっていないのに、良いですなんて言わないでほしい。

それは、発表者に、あなたの言っていることはわからないど、もういいよと反応しているのと同じだと思うの。

それは、相手に失礼。

相手を大切にしていない。

わからないときは、わからないのでもう一回説明してくださいと言おう。

それが、相手を本当に理解しようとし、大切にする行為だと思う。

だから、わからないときは、わからなかったから、もう一回言ってと言おう。

どうしてもわからなかった時は、わからなかった、ごめん。

全部はわからなかったけど、あなたの気持ちはわかったよ、と言える子になろう。

そんなお互いを大切にし合える授業が、みんなの授業像じゃないの?」

と言葉を続けた。

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