第20話 意識が続いている
6時には家に着いた。
先生の電話のこともあり、家に帰ってすぐに本読みなどの宿題と100マス九九チャレンジをやった。
時間はいつもより短くなっていた。
「偉いジャン、俺。」と口に出して言ってみた。
悪い気はしなかった。
何の勉強にしようかなあと思っていると、電話が鳴った。
お母さんが出ている。
「修平がお世話になります。」と挨拶をしている。
もしかして、松下先生からの電話?と思っていると、
「修平、先生から電話。」とお母さんの声がした。
急いで受話器をもらい、勉強部屋に入った。
先生は、「もう、始めましたか?」と聞いてきた。
「もう、宿題と100マス九九チャレンジは終わって、読書でもしようかと思っていた。」と応えた。
すると、「素晴らしい!」
自主的に進める人は、伸びていきます。
これからも自分を伸ばしていこうね。
明日の授業でも活躍してね。」と付け加え、電話は切られた。
お母さんが「何の電話だったの?」と聞いてきた。
「宿題を予定時刻にやっているかの電話だよ。」と応えた。
「お姉ちゃんの時もやってくれたけど、学校でのやる気そのままで宿題をやれるね。」と言い、
「明日、家で母が感謝しておりましたと言うんだよ。」と付け加えた。
「わかった。」と応え、受話器を電話機に置いた。
学校でやるぞと思った気持が、家まで持続されているんだ。
予定に宿題をやる時刻を書かせたのも、その時刻を気にして生活させるためだ。
ライバルを意識させるのもそのためだ。
そういったことを思い出させるように、先生は電話をしているんだ。
先生は、いろいろな方法で子どもが自分で宿題をやり始めるように仕組んでいるんだ。
凄いなあと思うと同時に、もっと先生の話に込められたものを読み取れるようになりたいなあと思った。
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