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真ん中あたりまで来たころだろうか
ついに 車輪が河底にはまった
男たちが 押しても引いても動かない
檻は がくがくきしむだけ
向こうに渡った男たちも加勢して
力任せに押せば 大きく檻が傾いた
と 同時にばしゃんと音がした
誰かが 水に落ちたのだ
扉が開いて 落とされたのか
それとも 自ら飛び込んだのか
男のうちの一人が 慌てて追った
と また ばんしゃんばしゃんと音がした
少女も一瞬
が 即座に扉は閉められて
悔いてる間もなく 河岸へと着いてしまった
折角の 絶好の機会であったのに
しかし 果たしてそうだろうか
ずぶ濡れの少女が二人 河岸に横たえられた
一人は檻に戻され もう一人は寝かされたまま
そしてまだらな髪の少女はどこにもいなかった
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