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魂を 置いてけぼりにして

身体だけは 闇を抜け

今見たことは夢か幻か

後は 何も 覚えてなんかいられない


魂が 追いついたのは ずっと後

目が覚めたとして 物が見えたとして

意識が戻ったのは ずっと後

それでも 状況なんて飲み込めやしな


がたがたと 身体が揺れた

それに合わせて 地平線が揺れた

ひそますように 息がれた

しゃくるような 声も聞こえた


そこに母の姿はなく

暖かく包む腕がなく

すこやかな 弟たちの寝息がなく

瞬間 血にれた父の姿が過った


がたがたと おりが揺れた

それに合わせて 少女が揺れた

泣きはらした おびえた目の

少女たちも 揺れていた

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