神様。転生先が龍の卵ってどういう事ですか?

たまごちゃん

プロローグ

第1話 転生しました。

僕は前の世界…日本で高校三年生をやっていた渡辺 陸斗というものです。


この度神様の手違いで水を飲んだだけなのにアナフィラキシーショックになって死んでしまいました。死ぬ時とても苦しかったのは今でも思い出すと辛いです。


そんな僕が死んだ日。神様は現れて言いました。


「ごめ。マジごめん。渡辺違いで殺しちゃったわ。わりぃわりぃ。」


この神様チャラいんです。見た目からしてギャル男です。陰キャの僕から見て正しく相容れない存在です。


「はは……そうだったんですね……」


「お詫びと言っちゃなんだけどよ?異世界転生してやっから。あとは異世界でハメまくるも良し。無双するも良しのチート能力やっから。そこんとこよろしくー」


なんて一方的に言いまして。僕の意見なんて一切聞いてくれないんです。


「わ、分かりました。」


僕は押しに弱いとよく言われます。どうも強く言われるとそれが正しく感じてしまうのです。


「じゃあとよろしくっーつーことで!バイなら!」


こんな軽いノリで僕は異世界へ転移することになってしまいました。しかしそこからが僕の災難の始まりでした。


─ん?あれ?転生したの?


体がうごかないな……何か生暖かいぞ?しかもヌルヌルする……き、気持ちわりぃ。口の中にも何か液体が絡まってるし……


それから3日後──


お!?少し動けるようになったぞ?でも……あれ?目はあかないし手や足はすぐ近くに硬い何かに覆われている気がする……もしかして……これって卵?


そして僕は思ったのだ。

も、もしや……転生先が人では無いのでは?と。


なんてこった……僕は人を辞めちゃったみたいです。でもまだ希望は捨てきれません。なんせ異世界です。一縷の望みですが……人も卵で生まれるかもしれないのですから。


くっそーーー!どうせならもっと異世界人生謳歌したかったぜ!!!


なんて力強く腕と足を動かしてしまったら…パキパキっと何かが割れる音がした。


お?ようやく生まれるのか?


ミャーミャー


えっ……上手く声がでねぇ……


ミャミャミャミャー


くそっ……やっぱり普通に発音できねぇ……


矢張り人間では無いようです。残念です。


すると突然グォォォォーーーーーーと大きな咆哮が聞こえました。これは僕の親でしょうか。怖いもの見たさですが一応親の顔を見なくてはなりません。


僕は頭を大きく卵にぶつけ殻を割りました。


グォ?グォォォォーーーーーーー


あれ?何か僕の見た目が変だったのでしょうか?親と見られる赤いドラゴンは僕を1度見るとその双眸を大きく見開き、何故か遠くに羽ばたいていってしまいました。


そしてあれから数刻経ちました。どうやら僕は先程の赤い龍の子供のようです。ですが、あれからドラコンが帰ってこないことから生まれてそうそう捨てられてしまったようでもありました。


僕は生まれた瞬間母に捨てられ、捨て子ドラゴンとして生きていくことを余儀なくされるのでした。


これが僕の残念人生の始まりなのです。くぅぅ~

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