第4話 ―お前は本当に、人間か

―お前は本当に、人間か

傘を持ってない人が、私にそう尋ねる。濡れた手で私の左肩を触る。心臓を握られるごとき圧迫。

―濡れた自分を見棄てるつもりか? せめて傘の空間を分けてくれないか?

―他にも傘を持つ人がいっぱいいるだろ?

―それは私の傘だ。

―それがどうかしたのか?

不愉快な人だ。

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