第18話 魔王城会議 3
「ところで、彼女の名前は?」
「オレヮロリ・ウォスキナーノ」
「は?」
俺が少女の名を答えると、会議室は騒然となった。
何かいけないことがあっただろうか。
ラファエルが少し興奮げにこちらを見る。
「やはりロリコンなのではないですか」
「は?」
こっちが呆然である。
なぜ少女の名を答えただけでロリコン呼ばわりされなければいけないのか。
「だって今、自分の口でそうおっしゃいましたよね」
「え? 言ってないけど」
「おっしゃったじゃないですか、『俺はロリを好きなの』と」
… … … … や っ て く れ た な 。
名前を褒めたとき微妙な顔をしていたのはそれだったのか。
ことの真相にやっと気づいた俺は、隣に座る少女を睨みつける。
彼女は澄ました顔でこちらを見ていた。
「やはりロリコンなんですね」
「こんにゃろ」
我慢の限界がきた俺は、彼女の頭を両側からグリグリした。
もちろん力はほとんど入れない。
きゃあきゃあ言いながら楽しそうに笑っているから、やりすぎということはないだろう。
お仕置きになっていないが。
俺が開放すると、少女は頭を抱えて涙目でこちらを見上げた。
「婦女の頭を気安く触るとはどういう了見ですか!」
「ん? どこに婦女がいるんだ?」
俺はわざとらしく周囲を見回す。
「ここにいるでしょう、ここに」
「俺に見えるのは親切な魔人を騙した極悪な人間だけだな」
「あれ、私には親切な魔人が見えませんね」
「ここにいるだろ、ここに」
魔王という立場のせいで、子供の頃からこうやってふざけ合うような友人はいなかったので、こういうやり取りは少し楽しかったりもする。
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