第17話ドール生活

「あなた、どんな生活をしているの?」


マリーがこんなことを言い出して始まった


「へ?どんなって?」


俺は間抜けな声を出した


「何よ、その間抜けな声は…どんなことしているの?って聞いているだけでしょ?」

「どんなって…」


朝になると部屋から起きてきた里美におはようの挨拶(勝手にされる)

里美が仕事に行っている間はマリンとチャイと話をする

基本人形なのでお腹も空かない(でもおもちゃの食べ物を目の前に置かれることはある)

晩になり仕事から帰ってきた里美にただいまの挨拶(また勝手にされる)そして髪や衣服を整えてもらってひたすら眺められる

里美がご飯を食べている間はまたマリンとチャイと話をする(里美はドールが汚れると言ってご飯は持ってこない)

たまに写真を撮られ(スマホ)里美がお風呂に入っている間また話をする

そして就寝、たまに里美はそのままドールのある部屋で寝落ちしてしまうことがしばしばある


「……かなぁ?」

「な、なかなか愛されているじゃない……」


マリーはたじろいた


「で、でもマリーの方が愛されてるから!!」

「お、おう」


なんかライバル発言的なことを言われた?別にライバルじゃあないけど


「私達も……その……似たような感じ……です……」


ミリーがやんわり言ってきた


「へえ、お前達もそうなのか!」

「アリー、マリーやミリーと話してるの!楽しいよね!!」

「まぁその日の里美の話ばっかだけどな」

「ぽよんさん……だよね?好き……なの?」

「はっ?」


好き?恋愛ではないが……


「まぁ、嫌いじゃあないな」

「ふふふふっ」


ミリーに笑われた


「仲がいいのはいいこと」


はっきり言われた


「そうだよな~」


サラリーマンやってた時は仕事仕事で余裕もなかったんだよな~

俺はしんみりしてしまった


「でも撮影会は嫌いかなぁ?なんか疲れるし」

「体力無いのね、まだまだわ」

「ヘイヘイ」


なんであんなに疲れるんだろうな~撮影

ただ立っているだけなのに、だからか?


「じゃあメルメルさん帰りましょうか」

「そうね、ぽよんちゃん」


オーナー達が片付けを始めた


「……そろそろお開きか」

「……そうね」

「なんだよ?寂しいのか?」

「!?そんなこと無いわよ!」


マリーツンデレ説浮上


「帰ろっか、ミズハ」

「皆も帰ろう」

「じゃあまたな、マリーミリーアリー」

「……また会ってやってもいいわよ」

「さようなら」

「バイバ~イ」


こうして俺の騒がしい合同撮影会は終わった

顔見知りも出来たしよかったかな?

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