第8話マウント
里美は今日のことをブログに記していた
うちの子に服を買いたかったこと、有名ディーラーさんの服だったこと、買えなかったこと
心に浮かぶままのことを綴った
「……とても残念でした、っと」
パソコンを打ち終わるとふっーと伸びをする
そしてさっきの出来事がふつふつと甦ってくる
「欲しかったなぁ……」
里美はミズハを見た
お迎え当時のままの服、新しいのにできれば素敵な服に変えたい
「ゴメンねぇ、ミズハ……」
そっとしゃべりかける
だが微妙そうな顔をされたのはなぜか?
「なんか……怒っている?」
里美はそう感じた
理由はわからない、何故?
その時スマホの通知がきた
おそらくブログの感想だろう
スマホでも見れるように設定してあったから
「どれどれ?」
里美はスマホを開く
『残念でしたね~次頑張りましょう!』
『ミズハちゃんのためだ、リベンジ!』
『私だったらへこむ~』
そんな感想が並んでいた
そんな中
『それ、愛か?自己満じゃんw』
里美は驚いた。今までこんなコメントは来なかった
「えっ、クソリプってやつ?」
里美はコメントに返信しようとした、クソリプですか?と
しかし
『わかるw見栄張りたいだけじゃんwww』
そう続いてきた。里美は軽くパニックになった
「見栄?私が?」
里美がおろおろしてると次々コメントがくる
『マウントはるぽよん氏w』
『そんなことないでしょ!ただ買いたいって話』
『ミズハはお飾り』
『ワンオフ当たらなかったからってあたんなwww』
『私金持ちマウント』
『金持ちウラヤマ』
「えっ、えっ」
これって炎上するんじゃ……!!
里美は焦った、どうしたらいいかわからなかった
里美が呆然としている間もコメントは過激さをまして荒れていった
あれから数時間、通知は止まらない
それどころかSNSで拡散されてしまった
「……なんで?」
私はただ服を買いたかったとかいただけ
なのに……嫉妬?なのか?
『偽りの愛、ぽよん』
『ワンオフもったいね、俺にくれ』
『くれくれ厨ウザ』
『ワンオフ当たるとマウント取れていいですね』
心ないコメントが続く
だいたい偽りって……
里美は泣きそうになった。ドールでこんなに悲しく悔しい気持ちは初めてだった
「なんでよ……」
服を買うのがいけないの?
『高い服とか鼻につく』
有名ディーラーさんの服欲しいの
『無名に謝れ』
『差別乙』
「……」
書き方が悪かったのだろうか
「私は……私は……」
どうしたらいい
思わず里美はミズハを見た
なかなか当たらないメモリアル、記念の一点もので見た目も美しく評判は発表された時らから人気だった
当たるとは思ってなかった
舞い上がってないとは言えない、実際まい上った
「でも、でも……!」
こんな仕打ちはひどい、そう思う
愛してないわけがない、服も買ってあげたい
「何がいけなかったの……?」
里美は一人泣いた
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