辺境都市の育成者
七野りく/ファンタジア文庫
プロローグ 大陸統一暦一二〇五年春 帝都ギルハ その1
『いいかい、レベッカ? この世界は君が思っているよりも、ずっとずっと広いんだ。帝都に行けば君もそのことを少しは感じられると思う。だから、今は
そう私の師で【育成者】と
確かにあいつの言う通り、当時の私が知っていた世界は本当にちっぽけ。それはこっちに来て、散々思い知らされた。
とても人とは思えない
何より、
「今日も人が多過ぎ、ね」
帝都旧市街を
左手に持っている荷物が少々
ここは正しく人種の
私のように白金か金に近い
日に焼けた縮れた
私の知らない異国人もたくさんいる。
二年前まで私がいた辺境都市じゃ考えられない。
これらの人々は大陸最強国家の
北方から、南方から、東方から、西方から──貴重品や
まるで、この国だけ時代の一歩先を進んでいるかのようだ。
結果、帝国は──帝都を探してなければ大陸内にその品はない、と断言される
同時に、犯罪や
「だからこそ、私達みたいな冒険者が集まって来もするのよね」
独り言を
白金の
同年代の少女達と比べると、やや背が高く、自分で言うのもなんだけど
知り合いにはよく『レベッカは身に着けている純白の
二度と顔も見たくない父親なんて、自分の栄達の
でも、あいつが綺麗だって思ってくれるなら、この見た目も悪くは──……はっ!
頭をぶんぶん、と
店内にいた女性店員が
歩みを再開しながらこの二年間を思い返す。
──本当に色々なことがあった。
自分よりも格上の冒険者に現実を見せつけられ、強大な
思い返しながら目を
我ながらよく生きてるわね、ほんと。
何度も
そういえば、そういう時だけすぐに
そして、辺境都市にいた
「結局、あいつが……ハルが見せてくれたもの以上に
今の私はあの頃よりもかなり修練を積んだし、
だけど──あいつや姉
この世界にはまだまだとんでもない
私は、左手に持っていた私の
「でも……これを見れば、あいつだって私をきっと一人前だって認めるはず!」
──ようやく目的地が見えてきた。
旧市街奥にそびえ立つ、帝都でも皇宮以外だと最大規模の建造物であるその
──冒険者ギルド本部。
冒険者とは魔獣を
それを
大陸全土はもちろん、沿岸部以外は未開の地である南方大陸にすら支部を持ち、下手な国家よりも権力を持つ。
そんな組織の本部に配属されている職員はもちろん
各地のギルドで修羅場を潜り抜けてきた
私の今の担当者の子もそうだ。何より──古い付き合いの友人なので、
きっとこの袋の中身くらい
本部の入口へ向かいつつ、私は
「辺境都市に、ユキハナに
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