第8話他に好きな子ができたと告げたの

 奈良のスナックリブラに哲夫は行った。

「竹内さんおはよう」

「ゆかりちゃんおはよう」

「竹内さん元気そうね。何かいいことあったの」

「彼女ができた」

「おめでとうよかったね」

「ありがとう」

「どこで見つけたの?」

「結婚相談所で」

「へーえ、あんなところでもうまく行くものね」

「高いお金払ってるもんな」

「ゆきちゃんどうしたの」

「ぐすん、竹内さんのこと好きだったのに」

「えーっ僕もゆきちゃんのことずっと好きだったのに」

 沈黙

「難しい問題ね、竹内さん男だから良く考えて」

「ああ」


 哲夫はゆきを選んだ。


 満里奈が哲夫に電話をした。

「竹内さんと言うより,哲夫さん。今度は大阪に泊ろうと思うの、その方が気分が盛り上がるでしょう。どこか良いホテルをご存知ないかしら」

「それならニューオオタニが良いと思います。新大阪駅と奈良駅の中間だし、満里奈さんの気持ちにもピッタリのホテルだと思います」

「じゃあ、ニューオオタニで泊ります」

 満里奈が奈良に来た。

 哲夫は何食わぬ顔で不退寺法華寺元興寺を案内した。夕食はニューオオタニで食べた。満里奈は部屋をツインにして哲夫も泊まれるようにしていた。

「何食べましょう」

「ステーキ。ステーキしか知らないんです、あとは、エビフライくらいしか」

「パレスホテルでは食事をしないのですか」

「ほとんどしませんね」

「部屋ツインにしましたから、今日は停まって行ってくださいね。だからお酒飲んでくださいね」

「あ あのー」

「はい」

「いやなんでも」

 哲夫はお酒を飲まなかった。

 食事が終わって部屋に入った。

 満里奈がキスをしようとすると。

「実は話があります」

「何ですか」

「他に好きな子ができた」と告げた瞳かげらせて。

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